「学校を休んでもいい」と母親に言われて、元気になれた
どんなにいじめられても友美さんは学校に行き続けたが、腹痛や頭痛、不眠など、身体症状が出るようになっていった。登校時に腹痛でトイレから出られなくなったことで母親は仕事を休んで病院に連れて行ってくれた。そこで涙ながらに母親にいじめられていることを告げたという。
「お腹が痛くなるけれど、下痢のような痛みとは違っていてトイレに籠るけど何も出ないんです。だから、心配した母親が仕事を休んで病院に連れて行ってくれました。血液検査やエコー検査などをしても、数日後の検査結果に異常はなし。結果が出るまで学校を休んでいいと母親に言われて、その休んでいた期間に気が緩んでしまったのか、異常なしで学校に行かなければならなくなったときに、思わず母親に伝えてしまいました。『学校にもう行きたくない』って」
母親は学校を休んでいいと言い、友美さんは布団の中で1日を過ごしたという。学校に行かないでいいとわかると体調は普通に戻ったが、仕事を休んで側にいてくれる母親の手前ずっとしんどそうなフリをするしかなかった。
「仕事を休んでまで側にいてくれた母親の前で、元気になるのに罪悪感があったんです。母親は私の前では笑顔を向けてくれるのですが、それ以外では私以上に辛そうな顔をしていました。
私は学校を休んでずっと寝ていたので夜中に目が覚めることが多かったのですが、夜中に両親が真剣な話をしていた姿をよく覚えています。学校に行ってない私のことを話し合っているんだろうなって思って、辛かったですね」
友美さんが新しい中学校に通うため、両親は離れて暮らすことになる。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。