過去のバブル景気の頃には、定期預金の金利が年利6%程度だった時代もありましたが、現在の低金利下では利息を期待することが出来ません。そのため定期預金を利用すべきか悩むところです。今回は、定期預金を利用するべきなのか? 定期預金のメリットとデメリットなどについてみていきましょう。
100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。
目次
定期預金はやるべき?
定期預金をするメリット・デメリット
定期預金をする銀行の選び方
まとめ
定期預金はやるべき?
定期預金を利用するべきなのかを判断するためには、資金を増やしたいのか確保しておきたいのかによって異なります。
<資金を増やしたい場合>
2024年1月からNISA制度が新しくなったことで、投資信託を利用した「長期分散投資」が注目されています。10年以上使う予定がない資金について、利回りの効果を得てお金にも働いてもらうという視点で、資産運用を取り入れるという選択肢があります。
例えば、100万円を10年間平均リターン5%で資産運用出来た場合、得られる利益は約63万円で、元本の100万円と併せると、10年後には約163万円です。一方で、預入期間10年の定期預金の金利が0.3%だったとすると、10年後に得られる利息は30,408円で、元本の100万円と併せても10年後には約103万円にしかなりません。
平均リターン5%が実現できるのであれば、定期預金を利用するよりも資産運用を取り入れた方が、有利であることが分かります。しかし、資産運用にはリスク(値動きの幅・不確実性)がありますので、元本が保証されていません。
どうしても投資は怖いのでやりたくないという人は、普通預金よりも金利の高い定期預金を利用するのもいいでしょう。
<資金を確保しておきたい場合>
10年以内程度の教育資金・住宅購入や、リフォーム・車の購入などのライフイベントのための資金を、使う年に合わせて必要な分を確保しておきたい場合は、投資のようにリスクのある商品よりも元本が保証されている定期預金を、利用することが適していると言えます。
定期預金は、金融機関によって異なる場合がありますが、1年・3年・5年・7年・10年というように、期間を選択することが出来ます。資金を使う目的や、時期に合わせて確保しておくことが出来ますので、使い勝手がいい商品と言えます。
定期預金をするメリット・デメリット
定期預金を有効に活用するには、メリットとデメリットを理解する必要があります。定期預金のメリットとデメリットについてみていきましょう。
<定期預金のメリット>
普通預金より金利が高い
通常、定期預金の金利は普通預金より高く設定されています。同じ金額を同じ期間預けるのであれば、普通預金より定期預金のほうが受け取れる利息は多くなります。
元本割れの心配がない
定期預金は、元本が保証された預金商品です。満期前に途中解約すると受け取る利息は少なくなりますが、元本割れにはなりません。安全性の高さは、定期預金の大きなメリットといえます。
預金保険の対象となる
定期預金は、預金保険制度(ペイオフ)の対象となっています。預金保険制度では、預け入れている金融機関が万一破綻した場合、預金者1人当たり1000万円までの元本と利息が保護されます。
預け入れ期間を選べる
定期預金には、金融機関ごとにさまざまな預け入れ期間の商品が提供されているため、目的に合わせて選択できます。定期預金は、ライフイベントの資金の準備に適しているといえます。
<定期預金のデメリット>
資産形成には向いていない
定期預金は普通預金に比べて金利が高めですが、現在の金利水準では預けてもお金はほとんど増えませんので、資産形成には向いていないといえます。そのため資産形成を目的とするのであれば、投資信託などより運用効率の高い金融商品を活用したほうがよいでしょう。
自由にお金を引き出せない
定期預金は原則として、満期までは引き出すことが出来ません。中途解約する場合は、中途解約利率が適用されます。このため、受け取る利息が少なくなります。しかしながら、自由に引き出せるお金があるとつい使ってしまうという人にとっては、メリットなのかもしれません。
定期預金をする銀行の選び方
定期預金にはさまざまな種類があるだけではなく、金融機関や商品によって特徴が異なります。ここでは、定期預金を選ぶときのポイントを3つ紹介します。
金利の違いで選ぶ
定期預金は、普通預金よりも高めの金利が魅力です。金利の設定は金融機関や商品によって大きな差があるので、金利の高い定期預金を扱っている金融機関を見つけることから始めましょう。
預入期間で選ぶ
ライフプランにあわせて預入期間を計画的に決めるためにも、使う時期に適した預入期間が設定された商品を扱っているかどうかがポイントとなり得ます。
金融機関ごとのキャンペーンで選ぶ
定期預金の申込みにあたって、各金融機関が金利の上乗せなどのキャンペーンを実施している場合があります。キャンペーンの多くが期間限定のため、最新のキャンペーン情報に注目しておくといいでしょう。
ただし、こうしたキャンペーンは「対象商品とセットでの申込み」などの条件を求められたり、金利の上乗せ期間に制限されていたりするケースがあるため、勧められるままに預け入れすることなく、内容について十分に理解する必要があります。
これらの選び方の他にも、不正ログインの防止など、金融犯罪のリスクにどんな対策をしているか? また、金融機関として健全な経営を行っているかどうか? なども重要です。 金利が同じだからといってどの金融機関でも同じということではありません。
まとめ
現在では、定期預金は資産形成というよりも、資金の確保を目的として利用されることが多くみられますが、今後の金利の動向次第では、その役割が変化することがあるかもしれません。金利の動向については注目していきましょう。
資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行なわれています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか?
さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。
●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)
株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)
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●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB)