大切な資金を銀行などの金融機関に、預金として預けておく際に利用されているのが、普通預金や定期預金です。定期預金という名前は、ほとんどの人がご存知かと思いますが、皆さんは定期預金がどのようなものなのか正しく理解されているでしょうか? 今回は「定期預金」について、詳しくみていきましょう。
100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。
目次
定期預金とは
定期預金の種類
定期預金の始め方
まとめ
定期預金とは
定期預金とは、あらかじめ期間を決めて金融機関に預け入れる預金のことです。定期預金の仕組みについて詳しくみていきましょう
預け入れ期間
短くて1か月から、長くて10年など金融機関によって設定されている期間や、取り扱っている商品の数が異なります。
定期預金の金利
定期預金の金利は、預け入れる期間や金額によって金利が異なるケースや、キャンペーンとして金利を優遇するなど、各金融機関が独自に設定していますが、基本的には大手都市銀行の同様な商品は足並みがそろっているケースがほとんどです。ネット銀行では、比較的金利が高めとなっているケースがみられます。
しかしながら、現在の定期預金の金利は日銀の金融緩和政策により、1%に満たないものがほとんど。運用目的というよりは、使う目的に合わせて期間を選び、資金を管理するために使われていることが多いのではないでしょうか。2024年に入ってから、ゼロ金利やマイナス金利が解除されたことで金利の動向が注目されていますが、今後利上げの局面になることがある場合、定期預金の金利も上昇することがあるかもしれません。
普通預金との違い
定期預金と普通預金の違いは、大きく分けて金利と自由度の2つがあります。
<金利>
定期預金と普通預金では、一般的に定期預金の金利の方が高く設定されています。
<自由度>
普通預金は自由に預け入れたり、引き出したりできる預金であるのに対して、定期預金は解約しない限り満期までは引き出せないため自由度が低くなります。
ペイオフの対象
定期預金は、ペイオフの対象となります。ペイオフとは、預金保険制度に加盟している金融機関が破綻した場合の預金者保護の方法のひとつです。預金保険制度に加盟している金融機関に預金すると、預金者と金融機関と預金保険機構の間で、自動的に保険契約が成立します。
破綻した金融機関に口座を持つ預金者に対して、預金者1人当たり1000万円までの元本と利息が保護されます。
解約
定期預金は、期間の途中でも解約することが出来ますが、一部の金融機関では解約の際に手数料が発生する場合があります。解約手数料の有無や金額については、定期預金を預け入れる際に確認しておきましょう。
定期預金の種類
金融機関によっては、様々な定期預金の種類がありますが、ここでは代表的な種類についてみていきます。
一般定期預金
一般定期預金は、定期預金のなかでも定番といえる商品です。大手都市銀行では「スーパー定期」という商品が、この一般定期預金にあたります。まとまったお金を一括で1か月から10年等で、あらかじめ期間を決めて預け入れます。まとまったお金を「いつ」「何のために使う」かが決まっている人に適しているものが、一般定期預金です。
大口定期預金
大口定期預金は、最低預入金額が決められている定期預金です。最低預入金額は、1,000万円以上としている金融機関が多くみられます。預入期間は、一般定期預金と同じく、1か月から10年等、期間を選択することができます。低金利下の現在では、金利は一般定期預金と同一になっている金融機関が多いです。
預金保険制度で保護される定期預金は、一つの金融機関において元本1,000万円とその利息までですので、1,000万円を超えるお金を預ける場合には、複数の金融機関に分けることも検討すると良いでしょう。
積立定期預金
積立定期預金は、あらかじめ決めた日にちに決めた金額が普通預金から引き落とされ、定期預金の口座へ毎月自動的に積み立てていく定期預金です。積立金額は金融機関によって異なります。
定期預金の始め方
定期預金を始める方法についても解説いたします。
1.金融機関を決める
はじめに、お金を預け入れる金融機関を決めます。選択する際には、金利や預入期間、途中解約に関する規定など金融機関ごとの条件や、使い勝手が良いといったことがポイントとなるでしょう。金利優遇キャンペーンを行なっている金融機関もありますが、長期間の預け入れを考える場合、金融機関の財務状況などもポイントとして考慮に入れると良いでしょう。
2.口座を作る
預け入れる金融機関を決めたら、口座を作ります。平日は仕事をしていて、金融機関に行くことが難しい場合でも、インターネットで簡単に口座開設することが出来ます。
3.金額と期間を決めて預ける
預け入れる金額と期間を決める際には、住宅購入の頭金や子どもの教育費、老後の生活費など、いつ何に使うためのお金なのかを明確にして決めて預けると良いでしょう。特に、今後10年以内に使う予定の目的資金は、定期預金などの安全資産に預けて、投資のリスクはできるだけ避けたいものです。自分のライフプランを作って、目的を明確化した上で、預入金額や期間の設定をすることをおすすめいたします。
まとめ
今回は、定期預金について詳しくみてきましたが、いかがだったでしょうか? 現在では、定期預金の金利は預金以外の金融商品よりも低く設定されているケースがほとんどですが、元本割れなどのリスクがないため安心して預け入れることが出来ます。自分のライフプランの目的に合わせて預け入れることを検討してみてはいかがでしょうか。
資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行なわれています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか?
さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。
●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)
株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)
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