人生の3大資金と言われる住宅資金。賃貸住宅で自分の住みたいところに住み続ける方もいれば、「終の住処」として住宅を購入する方もいます。賃貸にしても購入しても、人生を通して大きなお金が必要になってくるのが住宅資金です。
今回は、そんな住宅資金のうち、「住宅を購入」するときのお金の調達方法の一つであり、多くの方が利用する住宅ローンについて、その手続きの流れを一緒に見ていきたいと思います。
100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。
目次
住宅ローンとは
住宅ローンの手続きの流れ
手続きに必要な書類
まとめ
住宅ローンとは
住宅ローンとは、どんなものなのでしょうか。住宅と付いていますので、読んで字のごとく、住宅を購入するために金融機関等からお金を借りて、分割で支払いをしていくという商品になります。返済期間は最長35年までとなっており、長期にわたって少しずつ返済をすることができます。
そして、住宅ローンには「民間融資」「公的融資」「協調融資」の3つの種類があります。
民間融資
銀行や信用金庫、信託銀行、ネット銀行など、民間の金融機関が独自に設けている住宅ローンです。金融機関毎に様々なプランが用意されています。
公的融資(財形住宅融資)
勤務先で財形貯蓄を1年以上している人が利用できる財形住宅融資です。既定の条件を満たしている人が利用できます。
協調融資(フラット35)
複数の金融機関が提携して融資するローンのことです。住宅金融支援機構と民間の金融機関による融資、「フラット35」がその代表となります。
住宅を購入するために他からお金を借りているわけですから、もちろん借りるときの諸手数料や金利がかかってきます。この手数料や金利については、上記の種類や各金融機関等によって異なりますし、借りる人の財務状況などによっても異なってきます。
また、民間融資の住宅ローンは、ひと昔前と異なり、店頭だけではなく、ネット銀行を含めて様々な金融機関が商品ラインナップや付帯サービスを用意しています。自分の考えや家計の状況に合った商品を探してみると良いでしょう。
住宅ローンの手続きの流れ
住宅ローンでお金を借りたいと思っても、すぐ借りられるわけではありません。各金融機関の審査基準や審査機関は多少異なりますが、融資を決定するための手順を踏む必要があります。簡潔に言うと、【1:事前審査】→【2:本審査】→【3:金銭消費貸借契約(金消契約)】という流れになります。少し詳しく見ていきましょう。
1:事前審査(仮審査)
事前審査は、借入をする対象者の年収や自己資金、雇用形態、勤続年数、物件概要などを審査し、本審査へのある程度の見通しを立てるものになります。審査にかかる期間としては、早いところで3日ほどというところもありますが、概ね1週間ほどで結果がわかります。
各金融機関、審査基準は異なりますので、複数の金融機関に同時に事前審査をすることも可能です。
注意点としては、2つあります。1つは、金融機関は事前審査の段階で個人信用情報機関に照会しますので、対象者の現在の借入金やクレジットカードの状況、過去の遅滞履歴や破産等の情報も確認します。状況によっては、審査が通りにくくなるケースがあります。
2つ目は、仮に事前審査が通ったとしても、本審査が必ず通るわけではないという点です。事前審査の時点では物件の契約は確定していないので、最終審査による詳細な状況調査によって、事前審査では把握ができなかった融資条件に合わない事実が明らかになるケースもあります。
2:本審査
仮審査が通ったら、正式に住宅ローンを申し込んで本審査という流れになります。後述しますが、金融機関の定める必要書類を提出して審査結果を待ちます。審査機関は概ね2週間程度とされていますが、金融機関や審査状況によっては3~4週間くらいかかるケースも少なくありません。事前に金融機関に確認をすると良いでしょう。また、提出書類に不備があると長引く要因になりますので、事前に準備をしておくことをおすすめします。
3:金銭消費貸借契約(金消契約)
本審査で承認が下りたら、晴れて住宅ローンの契約を交わします。これが金銭消費賃貸契約と言い、略して「金消契約」と言うこともあります。金銭消費貸借契約を締結することにより、銀行に融資を実行してもらうことになります。
審査までに時間がかかりすぎたりした場合などは、希望する物件が別の人に流れてしまうケースもあります。事前審査から融資の実行まで滞りなく進めていくために、各審査時に必要となってくる書類を事前に確認して、計画的に準備をしていきましょう。ものによっては、取り寄せるのに数日時間がかかる場合もありますので、注意が必要です。
手続きに必要な書類
前述した住宅ローン審査の段階によって、準備する書類は異なりますので、審査の段階ごとに見ていきます。実際は金融機関毎に異なりますので、必ず事前に確認をするようにしてください。
1:事前審査(仮審査)
(ア)本人確認書類
(イ) 収入に関する書類
1.給与所得者の方:前年の源泉徴収票・住民税決定通知書・課税証明書など
2.個人事業主の方:確定申告書や納税証明書(3年分)
3.法人代表者の場合:前年の源泉徴収票や確定申告書や納税証明書(3年分)・決算報告書(3年分)
(ウ)物件の確認資料
1.購入予定物件の販売チラシ
2.資金計画表
3.間取図など
2:本審査
(ア)本人確認書類
1.世帯全員の住民票の写し(発行後3か月以内)
2.運転免許証またはパスポート
3.健康保険証
(イ)収入に関する書類
1.給与所得者の方:前年の源泉徴収票・住民税決定通知書もしくは課税証明書
2.個人事業主の方:確定申告書(3年分)・申告所得税納税証明書・事業税納税証明書(各3年分)
3.法人代表者の場合:前年の源泉徴収票・確定申告書(3年分)・申告所得税納税証明書・事業税納税証明書(各3年分)法人の決算報告書(3年分)・法人税納税証明書(3年分)・法人事業税納税証明書(3年分)など
(ウ)物件の確認資料
1.売買契約書全ページ
2.重要事項説明書全ページ
3.間取り図
4.建築確認済証もしくは建築確認通知書
5.建築確認申請書
6.建物配置図・各階平面図・立面図
7.工事請負契約書全ページ
8.購入予定物件の販売チラシ
9.資金計画表
(エ)その他金融機関指定のもの
あくまでも一例です。特に本審査は、準備をしなくてはいけない書類がたくさんありますので、余裕をもって準備をすると良いでしょう。各金融機関では「必要書類確認リスト」が準備されていますので活用していきましょう。
まとめ
今回は、住宅ローン審査の流れを中心に見てきました。数あるラインナップの中から、自分のライフスタイルに合わせて住宅ローンを選択することになると思いますが、今回の内容を参考に、皆さんには後悔のない住宅ローン選びをしていただければと思います。そして、事前にできる準備はしっかりと取り組んでいきましょう。
資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行われています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか?
さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。
●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)
株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)
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●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB)