正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいている」ということがあるかもしれませんね。

Google 先生やデジタルデバイスの出現により、便利になった反面、情報の中身については⼗分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識”は確かでしょうか? もう⼀度、確認しておいても良いかもしれません。

「脳トレ漢字」第155回は、「寡黙」をご紹介します。沈黙や無言、無口などが類義語として挙げられる「寡黙」。人の性格を表す際に、使われることが多いです。実際に読み書きなどをしていただき、漢字への造詣を深めてみてください。

「寡黙」とは何とよむ?

「寡黙」の読み方をご存知でしょうか? 「寡」という漢字の読みが、少し難しいかもしれませんが……

正解は……
「かもく」です。

『小学館デジタル大辞泉』では、「口数が少ないこと。また、そのさま。」と説明されています。「口が重い」「黙々(もくもく)」などと言い換えることができる「寡黙」。「あの人は寡黙だ」「寡黙でおとなしい性格をしている」などのように、言葉数が少なくて静かな人のことを言い表す際に使われます。

また、類義語として「沈黙」が挙げられますが、こちらは「沈黙は金、雄弁は銀」ということわざでよく知られていますね。

「沈黙は金に例えられるほど価値がある」という意味のことわざ。イギリスの評論家、トーマス・カーライルの著書『衣装哲学』の一文が由来となっており、「黙ることも時には大切である」という意味として使われています。

「寡黙」の漢字の由来は?

「寡」という漢字には、人数や勢力、徳が少ないという意味が含まれています。古代中国では天子や王侯が「寡人」を自称して、へりくだることもあったそうです。黙る、無口という意味の「黙」と組み合わせることで、「口数が少ない」という意味の言葉になったと考えられます。

「寡(やもめ)」の意味とは?

先述の通り、「寡」という漢字には「人数や勢力、徳が少ない」という意味が含まれます。また、「寡(やもめ)」と読んで、配偶者のない人を表すこともあるのです。「寡」の歴史は大変古く、『日本書紀』にも、未亡人という意味として使われているのがわかります。

本来は、夫をなくした女性を指す言葉であり、男性の場合は「やもお」と呼ばれていました。「やもめ」「やもお」の語源は諸説ありますが、家を守るという意味の「屋守(やもり)」に由来するという説が有力です。

***

いかがでしたか? 今回の「寡黙」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 「寡」という漢字には、複数の意味が含まれていることが分かりました。どこかで見かけた際には、「寡」の意味について思い出してみてくださいね。

文/とよだまほ(京都メディアライン)
HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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