葬儀において、花は欠かせないものです。最近では「花祭壇」と呼ばれる、一面花で埋め尽くされた祭壇が多くなってきています。最後のお別れの儀式の中で、花が悲しみを和らげてくれているのかもしれません。葬儀でお供えするものとして、花はどのようにして贈ればいいのでしょうか?

この記事では「葬儀のお花」について、京都・滋賀で85年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。

もしもの時、その日の時に、この記事をお役立てください。

目次
葬儀のお花
供花を贈る場合
供花のマナー
まとめ

葬儀のお花

葬儀の際、花は祭壇の周りに華やかに、そして厳かに亡き人を見守るように飾られています。葬儀の花は、亡き人への供養のためにお供えするお花です。

葬儀のお花は4種類

葬儀のお花の種類は一般的に、「供花(きょうか・くげ)」「枕花(まくらばな)」「花輪(はなわ)」「献花(けんか)」と4種類あります。それぞれの花の役割が違いますので、一つひとつみていきましょう。

供花

供花は、故人の近親者や、 親しかった方、あるいは仕事関係の方などが、故人の死を供養するために贈るものです。供花は祭壇の脇に供物と一緒に置かれ、花は白を基調とした生花で、百合や洋ラン、菊などが一般的に選ばれます。供花は、葬儀の最後のお別れの時に柩の中に入れ、残れば参列者に配られるものです。

枕花

枕花とは、亡くなられてからお通夜までの間、故人の枕元に置く花です。親族や故人の特別親しい友人が贈ります。小さく控えめな藤花などが一般的で、白が基調の優しい色合いの生花が選ばれるようです。

花輪

花輪は地域によっては、飾る習慣がないところもあります。最近では見る機会も減りました。花輪は、個人名義で贈るというよりも、故人にゆかりのあった企業や団体の名義で贈られることが多いです。供える場所は、お通夜・告別式などの葬儀会場の外や入口に飾られます。円状のスタンドタイプのもので、寒色系が中心。外に飾られるので造花が一般的です。

献花

キリスト教での葬儀で、参列された方がお線香の代わりに祭壇に供える花です。白色の百合や菊、カーネーションなどの生花を使い、参列者は献花台にこれらの花を一本ずつ供えます。

供花を贈る場合

一般的に贈る機会の多い、供花について解説します。

供花の注文

供花を注文する方法は、葬儀会社・花屋・インターネットと3パターンあります。対応のしやすさから、葬儀会社で注文するケースが一般的です。

供花の手配

まず葬儀会場に連絡をして、葬儀会社を確認。葬儀によっては、供花のお断りをしている場合があるのです。その上で直接、葬儀会社に注文するか、他の生花店で注文します。

葬儀の内容や、宗教宗派に相応しい花というものがあるので、どんな花が良いか必ず葬儀会社に確認を取ってから贈りましょう。直接遺族に相談できる方は、葬儀会場に連絡する前に、遺族の承認を得てから進めると良いでしょう。

供花を贈るタイミング

供花は葬儀会場の祭壇にお供えするため、お通夜の当日から3時間くらい前までに届いているのが良いでしょう。あまり早く届きすぎるのも、事前に準備していたと思われるため良くないといわれています。そういう点でも柔軟に対応できるため、葬儀会社に注文するのが一番良いでしょう。

供花の花

主に、白色をした菊、百合、カーネーションなどが一般的です。選んだ花を籠盛りのフラワーアレンジにします。

仏教の供養行事で定番の菊は、キリスト教の葬儀ではあまり使いません。キリスト教の場合は、百合や白のカーネーションが多いようです。しかし、百合は花粉が付くと取れにくく、仏壇などにシミがついてしまうことが多いので、ご自宅での葬儀では避けた方が無難です。

供花の相場

供花の相場は1基で5,000~25,000円。1対では1基の倍の相場になります。しかし、生花のため相場は変動。1対にする場合、葬儀場により対応できない場合もありますので必ずご確認ください。

供花のマナー

供花を贈る時のマナーについて解説していきます。

好ましくない花

近年、葬儀も自由度が高まってきており、供花も白系ではなく、華やかな色合いのものや、故人が好きだった花を贈ることも多くなりました。ただ、葬儀での花という観点でふさわしくないものがあります。棘のある花、匂いの強い花、血を連想させるような赤や、黒、毒性の強い花は避けてください。また、椿のように花ごとポトリと落ちるものも縁起が悪いとされます。

誰が贈る?

供花は誰でも贈ることは可能です。親族、友人、仕事での繋がりのある人が贈ります。親族は「兄弟一同」「孫一同」「親族一同」など、共同で供花を贈ることも多いです。同様に友人も「友人一同」や連名で贈ります。仕事上での繋がりは、会社名や団体名で贈ることが多いです。

遺族側のお返しは?

本来、供花は故人への供養の気持ちを表したもので、お返しは不要と考えられています。しかし「返礼不要」と書かれていない限り、お礼状やお礼の品を贈ったほうが良いでしょう。お礼の相場は、香典と同様に3分の1から半分が相場です。香典と供花の両方をいただいている方には、合算で香典返しの品を選びます。また、参列されずに供花だけいただいた方には葬儀が終わって落ち着いてからお礼状を出すようにしましょう。

まとめ

葬儀に欠かせないお花。特に供花は祭壇の周りを彩り、厳かな雰囲気を引き立てます。供花を贈ることが、亡き人への供養となります。花に生前の思いや感謝を込めて贈りましょう。

●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com

京都・滋賀で85年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」の時安心してお任せいただけるのが公益社です。

●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB

 

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