服装は、その人の心の表れだといわれます。すなわち葬儀での服装は、亡くなられた方を大切に思う、偲ぶ心を表すものだといえます。葬儀では様々なしきたりやマナーがありますが、服装はその中でも大切なもののひとつです。服装のルールやマナーを守って、亡き人を大切にお送りしましょう。

もしもの時、その日のために、お通夜や葬儀での服装のマナーについて理解しておきましょう。今回は女性編です。京都・滋賀で80年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご説明いたします。

目次
葬儀での服装とは?
喪主や親族の場合の服装
参列者の服装
葬儀用持ち物一式
その他のマナー
まとめ

葬儀での服装とは?

葬儀を含む、冠婚葬祭での服装のことを、礼服と呼びます。結婚式の礼服が「礼装」で、葬祭時の礼服を「喪服」と呼びます。ちなみに葬祭とは、葬式、告別式、お通夜、埋葬、納骨、年忌の法事などのことを指します。

喪服の種類

故人との関係性や、法事の場面に応じて、着る服の格式が異なります。大きく3種類の格式があります。その3つとは「正喪服」「準喪服」「略喪服(略式)」です。それぞれどのようなものか、みていきましょう。

正喪服

最も格式の高い喪服です。喪主や親族など、主催者側の人間が着用するもので、着物(黒喪服)が正喪服となります。洋装の場合、正喪服と準喪服の違いはそれほどありません。

準喪服

一般的に喪服といわれるものがこちらです。葬式、法要などに参列する場合に着用します。最近では親族の方も準喪服にされる方が多いようです。ブラックフォーマルで光沢のない黒無地で、露出と装飾を極力押さえたデザインのものが一般的です。和装の場合は、地味な色合いで無地の一つ紋、もしくは三つ紋付きの着物に黒い帯を着用します。

略喪服(略式)

お通夜や急な弔問、三回忌以降の法事は略喪服でもいいとされています。ブラックフォーマルではない、黒や濃紺のワンピースやパンツスタイルのもので、色が地味であればよいとされています。

平服

葬祭での平服は、カジュアルな普段着のことではありません。三回忌以降の法事は、「平服でどうぞ」と言われることも多いでしょう。また、葬儀後の弔問は平服を着用します。

平服は、略喪服と同じと考えてもらっても構いません。地味な色目のワンピースやパンツスタイルがよいでしょう。

喪主や親族の場合の服装

喪主や親族の場合でも、お通夜までは平服でも構いません。お通夜では、身内だけであれば略喪服、一般の参列がある場合は正喪服となります。正喪服は、一般的に女性の場合、和装が一番格式の高い服装とされています。お持ちでない場合は、葬儀会社でレンタルをしているところもありますので、相談してみましょう。

和装での正喪服

和装の場合は、光沢のない素材(ちりめんや羽二重など)で、黒無地に5つの紋を染め抜いた着物が一般的です。地域性や家のしきたりなどによって、さまざまな違いがありますので、親族や葬儀会社に相談してみることをおすすめします。和装には様々なルールが存在しますので、間違った喪服の選び方をすると、せっかくの正喪服が台無しになります。よくわからない場合は、洋装にしておきましょう。

洋装での正喪服

洋装の場合は、準喪服と正喪服の違いは曖昧になります。一般的にはブラックフォーマルと言われるもので、シルクやウールのワンピース、スーツ、あるいはアンサンブルになります。極力肌の露出が少ないもので、襟の詰まったものを選びましょう。身体のラインが出ない、ゆったりとしたデザインのもので、腕の露出も控えめにします。夏場でも長袖のものを選びます。

参列者の服装

参列者の服装は、喪主や親族側の服装よりも格上のものは、つけないようにしましょう。よって準喪服と言われるものが一般的になります。

お通夜での服装

最近では、仕事の関係などで、昼間に執り行われる葬儀に参列できない方が多く、お通夜のみの参列という方が増えています。いままではお通夜に喪服は、あらかじめ用意しているようだ、と言われて略喪服が一般的でしたが、準喪服で参列される方も増えています。

葬儀・告別式での服装

葬儀・告別式での服装は、準喪服となります。親族と同じようにブラックフォーマルが一般的です。なるべく肌の露出を押さえるようなデザインのものにしましょう。

葬儀用持ち物一式

葬儀に必要な持ち物は次のものです。黒のパンプス、黒のカバン、袱紗(ふくさ)、数珠(じゅず)、ネックレス、薄手の黒のストッキング、薄地の黒または白のハンカチなどです。それぞれみていきましょう。また、冬場の場合、暗い色のコートがあるといいでしょう。

アクセサリー

アクセサリーとして身につけてよいものは、ネックレスです。一般的には白真珠のネックレスが良いとされています。一連のもので、欠けのない完璧な丸のものを選び、真珠のサイズは直径7~8ミリのものが良いとされています。

指輪は一般的にはしませんが、結婚指輪ははずさなくてもよいとされています。しかし、派手なデザインものは、内側に向くようにはめるなどして、見えないように工夫をしましょう。

バッグやシューズ

バッグとシューズは、艶の少ない黒を選びましょう。バッグは小さめの金具などで、装飾品は極力ついていないものが理想です。シューズはつま先の丸いもので、ヒールも低いものを選びましょう。

その他服装に関するもの

袱紗は香典を包むためのものです。紫色のものは慶弔どちらでも使えます。数珠は男性用と女性用があります。たまの大きさが小さいものが女性用になります。正式には数珠も宗派によって異なりますが、わからない場合は、各宗派共通の片手数珠というものを使いましょう。また、インナーも黒系のものに揃えるようにしましょう。

その他のマナー

葬儀は急な知らせで、事前の準備をすることが出来ません。葬儀にふさわしい身だしなみとして、髪形やメイクなども華美にならず、光沢のない地味なものとなります。その他のものについてもみていきましょう。

髪型

清潔感を大切にしてシンプルな髪形にしましょう。長い髪の方は、黒いゴムやピン、バレッタなどで、ばらつかないように、まとめて留めておきましょう。

メイクやネイルアート

メイクは薄くナチュラルなものを心がけ、口紅やチークなども薄めにします。ネイルもはずすのがマナーですが、施したばかりのときは、上からベージュのマニュキュアを重ね塗りします。また、手袋を着用しての参列もかまいません。ただし、焼香のときははずさないといけませんので、参列者に見えないように気を配りながら焼香をしてください。

まとめ

葬儀での服装のマナーは色々あります。特に女性の場合は、アクセサリーやメイク、ストッキング、マニュキュアなどにも気を配らないといけません。しかし、故人を偲ぶ気持ちを表すには、とても大切なことだと思います。これでいいのだろうか? などと余計な気をつかわずに済むように、しっかりとした服装で最後のお別れをしましょう。

●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com

京都・滋賀で80年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」のとき安心してお任せいただけるのが公益社です。

●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB

 

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