身近な人が亡くなることは大変悲しいことです。悲しみに打ちひしがれた方への心遣いに限りはありません。遺族の方の心に寄り添い、自分の気持ちを素直に伝えることで悲しみを分かち合えるものなら分かち合いたいもの……。
そのためには、葬儀に関する作法や知識を正しく身につけておくことも大切な心遣いのひとつ。言ってしまってからでは、取り返しがつかないこともありますから、そのようなことが無いようにしたいものです。
そこで、この記事では「葬儀の後にかけるお悔やみの言葉」について、京都・滋賀で80年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。
もしもの時、その日の時に、この記事をお役立てください。
目次
葬儀でかける言葉とは
葬儀後にかける言葉とは
場面や状況による心遣い
まとめ
葬儀でかける言葉とは
葬儀に際して遺族にどのような言葉をかけるべきでしょうか? 一番大切なのは寄り添う気持ち。遺族からすれば、その場にいてくれるだけで心強いものです。葬儀の最中はあまり多くを話すことはできません。葬儀が終わった後に「今日は来てくださってありがとうございます」と言われた時に黙ってうなずくだけでもいいのですが、短い言葉でも気持ちを伝えられたらいいですね。
葬儀での心構え
一般参列の場合は、基本的にご遺族の方々と長々とお話することはありません。逆に長々と引き留めてお話することは失礼にあたりますので、ごく短い言葉で「お悔やみ」の気持ちを伝えることになります。「ご愁傷様です」や「お悔やみ申し上げます」という言葉で伝えましょう。
葬儀では使ってはいけない言葉
冠婚葬祭では、「忌み言葉」と言われるものは使用を差し控える必要があります。
言葉自体に不吉なものを予感させるものや、不幸を連想する言葉などは使わない配慮が必要です。例えば「死ぬ」はもちろんのこと、「終わる」「消える」「切る」などがあります。
「重ね言葉」も、二度とあって欲しくない、繰り返されたくないという意味があるので、使用は控えましょう。「くれぐれも」や「たびたび」「返す返すも」などは、つい使ってしまいがちですので気をつけてください。
葬儀後にかける言葉とは
葬儀後、遺族の方に声をかける場合、どのような心遣いが必要になるのでしょうか? あるいは家族葬などで葬儀にうかがえなかった場合など、数日経ってからかける言葉はどのような言葉がいいのでしょうか? 具体的にご紹介します。
代表的な言葉の事例
葬儀の時と同じように、まずは遺族を労わる言葉からお伝えしましょう。「ご愁傷様です」「心からお悔やみ申し上げます」などです。また、葬儀を無事終えたことへの労いもあるといいですね。
反対に、死因を詳しく聞いたり、「頑張って」や「元気出して」などの励ましの言葉をかける、などは控えましょう。
言葉の使い方(例文)
「このたびはご愁傷様です。心からお悔やみ申し上げます」
「お悔やみ申し上げます。このたびは残念なことでございました」
「このたびは大変でしたね、お悔やみ申し上げます」
「お葬式でお疲れになられたでしょう。お身体ご自愛ください」
「葬儀は何かと大変でしたでしょう。あまり無理なさらないでください」
「お疲れが出る頃ですので、身体にお気を付けください」
「私にできることがあれば、お申し付けください」
場面や状況による心遣い
お悔やみを伝える場面ごとの配慮や、亡くなられた方の状況によっての心遣いなどをまとめました。
場面別での配慮
・直接ご自宅へお伺いする場合
必ず事前に電話などで弔問の意思をお伝えしてからお伺いしましょう。家族葬などを選ばれている方は、「弔問は困る」という方もおられます。また、日頃自宅でのお付き合いのない方はなるべく弔問は控えたほうがいいと思います。
・電話で伝える場合
ご遺族の方は葬儀の後も手続き等でお忙しくされています。相手のペースに合わせながら伝えたいことを手短に伝えましょう。長電話は避けるのが賢明です。
・メールやSNSでのメッセージで伝える場合
直接相手の時間を奪わないツールではありますが、メッセージ着信に返信しなくてはといった負担になりかねません。特に葬儀当日は控えましょう。
・葬儀後にお会いする場合
会社の同僚や先輩後輩などで、忌引休暇明けに直接会える場合、言葉だけでなく、表情やジェスチャーでも伝えることが出来ます。あまり形式ばらずに気持ちを率直に伝えるのがいいでしょう。
状況別の配慮
・病気で亡くなられた場合
病床でお見舞いに行った場合は、その時の話に触れるのもいいかと思います。お見舞いに行けなかった場合は、手短にお詫びや残念な気持ちを伝えるのもよいかもしれません。
病気で亡くなられた場合は、病状に触れる内容は含めないのがマナーです。遺族がそのことをお話された時は受け止めて聞いておきましょう。
・事故で亡くなられた場合
思いがけない事故で亡くなられた場合、突然のことによる衝撃で悲しみがより深いと思われます。気持ちに寄り添いながら短めの言葉や、「力になれることがあれば言ってください」と伝えるのもいいかもしれません。
・夫や妻の場合
配偶者がお亡くなりになられた時はひとり身になる辛さや、まだお子様が小さいうちですと育児や家事への負担などがあります。また、お子様の将来などの不安もおありだと思います。
高齢者だとひとり身での生活の寂しさなどに寄り添いながら、お言葉がけをするといいでしょう。
・子供の場合
亡くなられたお子さんを悼む気持ちと、ご両親の計り知れない悲しい思いを受け止めながら、寄り添うようにしましょう。
メールや文面で送るときの注意事項
「ご愁傷様です」は話し言葉です。メールやSNSなどのメッセージアプリで送る場合は、使用しないでください。「お悔やみ申し上げます」は書き言葉としても使えます。ただし、メールやSNSなどのメッセージアプリで弔意を送る場合は、必ず親しい間柄であることが前提です。
普段お互いに使っているものであれば問題はありませんが、親族の場合や目上の方に対しての使用は控えた方が無難でしょう。
まとめ
身近な人が亡くなり、ショックも癒えぬままにお通夜、葬儀と続き、その後も様々な手続きが待ち受けています。一人一人の命の重さは心の傷も然りですが、その社会的な重みも遺族には降りかかってきます。
そのことを踏まえたうえで、参列者には寄り添う気持ちがとても大切です。そのために葬儀に関する知識や作法を知っておきましょう。
●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)
京都・滋賀で80年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」のとき安心してお任せいただけるのが公益社です。
●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB)