アメリカの哲学者であるジョン・デューイは「人間は習慣の生き物」といいました。習慣は、繰り返し行なうため、いつの間にか身につくものです。しかし、葬儀のように滅多にないことは、常に記憶が薄くなるもの。特に、葬儀のような厳粛な場所で注意したいのは、忘れ物の防止とマナーを守ること。「しまった!」とならないように事前にチェックしてから出かけましょう。

この記事では「葬儀で必要な持ち物」について、京都・滋賀で85年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。

もしもの時、その日の時に、この記事をお役立てください。

目次
葬儀で必要となる持ち物
葬儀で気をつけるべき持ち物
葬儀には不要な持ち物
まとめ

葬儀で必要となる持ち物

葬儀に必要なものは、それほど多くはありません。しかし、機会が多くないために、何を持っていけばいいのか、すっかり忘れていることが多いと思います。葬儀で必要になるものをそれぞれ解説します。

香典

香典辞退の葬儀でない限り、香典は必ず必要です。香典は香典袋に入れて持参します。香典袋の表書きは、「御香典」「御仏前」「御霊前」の3種類が一般的です。仏教であれば「御香典」か「御霊前」が無難。「御仏前」は浄土真宗などの真宗の葬儀か、四十九日法要以降に使います。

香典袋は、香典の金額に見合ったものを選びます。5,000円以下であれば、黒白や黄白の水引が印刷されたものを使い、1万円以上であれば、実際に水引のついたものを選びます。

袱紗(ふくさ)

香典を持っていく際には、袱紗(ふくさ)に入れて持参します。袱紗には様々な色があります。葬儀で使用できる色は、黒や紺、グレーなどの寒色系で、オレンジや赤などの暖色系はお祝い事に使います。慶弔両方使える紫色のものを持っておくといいでしょう。

数珠

数珠は本来、宗派によって形が異なります。略式数珠は宗派を問いませんので、ひとつ持っておきましょう。万が一忘れたとしても、他人の数珠は決して借りないでください。他人の数珠を借りるのはマナー違反ですが、数珠がなくてもマナー違反にはなりません。

エプロン

親族の方は、お茶出しや食事の用意など、葬儀の手伝いをお願いされることがありますので、マナーとしてエプロンはご持参ください。色は白か黒で無地のものになります。白の割烹着でも構いません。

葬儀で気をつけるべき持ち物

葬儀に持っていくもので、普段通りのものでは、マナー違反になるものもありますので、注意してください。持ち物や身につけるものの中で、気をつけるべきものをピックアップしました。

バッグ

男性は持っていかない方が多く、必要なものはポケットに入れて参列される方が多いようです。バッグを持つ場合、革製のものは殺生を連想させますので控えます。布かビニール製のもので、小ぶりで光沢や装飾のないものを選んでください。

女性は小さめのハンドバックにしましょう。同じく革製のものではなく、布かビニール製のもので、光沢や装飾のないものを選びます。

男女とも色は黒が無難ですが、派手ではない色のものを選びましょう。会社帰りなどで大きなバッグがある場合は、駅のロッカーなどに預けます。

ハンカチ

白が基本ですが、黒や地味な色のものであれば、マナー違反にはならないでしょう。刺繡や柄物でも、地味で目立たないものであれば問題ありません。

ベルト、靴、靴下

ベルトは光沢の押さえた黒色で、金具も光沢のない地味なものにしましょう。靴は革靴でも構いませんが、合成皮革のものがよいでしょう。

男性の場合、色は黒色、形は紐靴で、ストレートチップやプレーントゥといわれる内羽式のものがよいでしょう。

女性の場合は黒色で光沢のない、プレーントゥのパンプスが基本です。留め具や金具のないシンプルなデザインのものがよいでしょう。靴下もストッキングも、無地の黒色が無難です。

雨の日は傘が必要です。また、天気が怪しい場合も、折りたたみ傘が必要となります。葬儀の場では、原則派手なものは控えます。できれば、黒や濃紺や濃いグレーなどがあればベストです。急な雨の日のビニール傘も、マナー違反にはなりません。

葬儀には不要な持ち物

葬儀では不要なもの。身につけていくとマナー違反になるものがありますので、ご注意ください。

アクセサリー

アクセサリーとして身につけてよい例外のものは、ネックレスです。一般的には白真珠のネックレスが良いとされています。一連のもので、欠けのない完璧な丸のものを選び、真珠のサイズは直径7~8ミリのものが良いとされています。

指輪は一般的にはしませんが、結婚指輪ははずさなくてもよいとされています。しかし、派手なデザインものは、内側に向くようにはめるなどして、見えないように工夫をしましょう。また、ファッションアクセサリーの類もマナー違反です。たとえば、ブレスレットやピアス、ファッションリングなどです。

男性の場合、ネクタイピンやカフスなどは一切身につけません。

時計

男女とも腕時計ははずしておきます。どうしても必要な場合は、シンプルで目立たないものにしましょう。葬儀の場では光るものはマナー違反となります。

メイクなどその他気をつけること

持ち物ではありませんが、他に気をつけるべきものとして女性のメイク、マニュキュア、髪型などがあります。

メイクは薄くナチュラルなものを心がけてください。口紅やチークなども薄めにします。ネイルは、はずすのがマナーです。施したばかりのときは、上からベージュのマニュキュアを重ね塗りします。また手袋を着用しての参列もかまいません。

髪型も清潔感を大切にしてシンプルな髪形にしましょう。長い髪の方は、黒いゴムやピン、バレッタなどで、ばらつかないように、まとめて留めておきましょう。

男性の場合、髭はマナー違反にはなりませんが、無精ひげはきれいに剃っておきましょう。

まとめ

忘れ物をしないように、必要なものは事前にまとめておくといいですね。無いものは買い置きしておきましょう。そして、葬儀の日が来たら、しっかりとチェックしてから出かけましょう。

●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com

京都・滋賀で85年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」のとき安心してお任せいただけるのが公益社です。

●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialin FB

 

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