嫁姑は無理しないと仲良くなれない?
自分への余計な一言なら我慢ができたものの、それが娘に向けられたときに爆発してしまったそう。それでも仲良くしたい思いがまだ残っていた桃子さんに、義母はキツイ一言をお見舞いしてきます。
「私の悪いところを娘に念押しするみたいな言い方をしてきました。『ガサツなところは遺伝かしらね』というようなことを……。あからさまに私のことを言っている感じだったので、私も子育ての当時は余裕がなくてイライラしてしまっていて。少し不愉快に『それ私のことですか?』と聞くと、『そうよ』と。このときに完全に仲は壊れたと思っていました。
でも、実はもっと早くに壊れていたんです。私のことを義母は『最初からずっと嫌いだった』と言ったんですから」
その発言は桃子さんから夫も含めて話し合いたい、仲直りしたいと設けられた場であったもの。凍りつく中、義母の悪口は止まらなかったそう。
「色々言われましたが、『笑顔でも内心私のことをよく思っていないくせに』『裏表があるところが嫌い』と言われたことは覚えています。私は本心で『仲良くしたかっただけです』と伝えたら、『嫁姑なんだから無理よ』とバッサリ。義母からの提案で、もう深く付き合うのはやめましょうということになりました。
今振り返ると、全部が嫌味だったんですよね。結局、私が義母のことをいい人と思いたかっただけだったんだろうな。今はそのときよりもスッキリはしていますが、義両親の家に遊びに行くのは夫と子どもだけになっています。
もうあまり考えないようにしていますが、上辺でもある程度仲良くはしたかったですね。この打算的な考えを見破られていたのかもしれませんけどね(苦笑)」
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嫁姑という関係は、突然大人になってからできる、共通の趣味や好みがあるわけでもない間柄です。大人になってから友人を作るのが難しいのは、自分の中にある価値観を変えることができないから。たまに会うような友人関係でもそうなのに、大人になってからできる家族が難しいのも当然です。まずは“絶対に仲良くならなければいけない”という思いを捨てることが、嫁姑の関係を軽くする第一歩となるでしょう。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。