取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺った江里菜さん(仮名・40歳)は、36歳のときに職場で出会った2歳上の男性と結婚。旦那さまはバツイチだったこともあり、結婚の挨拶の場では元奥さんの悪口が親族の中で飛び交っていたそう。
「お酒の影響で声が大きくなった義父が、夫の祖父母もいる場で元奥さんの悪口を言い続けていました。それを誰も止めることもなくて……。夫は居づらそうでしたね。夫の離婚理由は、共働きによるすれ違いだと聞いているので片方が悪いということでもないと思っています。それなのに働いている女性で子どもを作る時期を調整していたことを悪いことのように言っていました。働く女性に対しての否定も含まれていて、聞いていて気分がいいものではなかったです」
流産をきっかけに考えが悪いほうへ。義実家と距離を置き始めた
結婚後すぐに妊活を始め、不妊治療を視野に入れ始めた7か月後に妊娠が発覚。そのことを両親はもちろん、義両親もとても喜んでくれたと言います。
「年齢のこともあって、自分の力だけでは無理なのかもしれないと思っていたときの妊娠発覚でした。そのときは本当に嬉しくて安定期にも入っていないのに、親しい友人にも妊娠の事実を伝えてしまいましたね。両親にはもちろん言いましたし、夫と話し合って義両親にも伝えました。みんなとても喜んでくれましたし、義両親からは葉酸が多いと言われている海苔が大量に届いたり、プレゼントも多く送られてきましたね。私自身も嫁としての務めを果たせたような安心感がありました」
しかし、安定期前に流産してしまいます。妊娠を知る全員が励ましてくれたそうですが、予定外の人たちからも励ましの言葉があったとか。
「流産の理由は遺伝子的な問題のもので、防ぎようがなかったようでしたが、やっぱりショックで。お腹の中で死んでしまった子が自然に排出されるのを待つ期間は本当に何もできなかった自分がただ悔しかったです。両親も義両親も慰めてくれたり、その話題には触れずに普通にしてくれたりと気を遣ってもらいました。
そんな中、夫の伯母にあたる方から連絡があって。確かに口止めはしていなかったけど、親族みんなに伝えていたんだなって。もしかして今は気遣ってくれていても、少しすれば私のせいだとお酒の席で言われるのかもしれないとまで考えが巡り、しばらくは帰省が怖くなりましたね」
【コロナ禍も関係なしに「年末年始は実家で過ごすべき」。次ページに続きます】