取材・文/ふじのあやこ

離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ

今回お話を伺った奈津子さん(仮名・39歳)は32歳のときに結婚して、現在は都内で旦那さまと暮らしています。奈津子さんは奈良県出身で、両親と3歳上に姉のいる4人家族。両親は離婚して、結婚にもあまりいいイメージがなかったものの、7歳上のバツイチ子持ちの男性と付き合い、奈津子さんのほうからプロポーズをして結婚に至ります。

「出会ってからも2年間は友人関係が続き、付き合うという一歩も私から。夫は私以上に結婚する気なんてなかったと思います。元奥さんが再婚したときに子どもが元奥さんの新しい旦那さんと養子縁組をしたことで扶養の義務がなくなり、一気に抜け殻のようになってしまって。そんな寂しそうな姿を見たくなくて、私からプロポーズをしました。私が家族になるからという気持ちがあったと思います」

義母から顔を見る度に聞かされる元奥さんと孫の話

結婚生活の中で自然と子どもができることを望んでいましたが、なかなか授からず。夫婦で話し合いをして不妊治療はしないことを選択します。旦那さまも前の結婚で苦労したことから子どもを持つことに積極的になれていなかったそう。

「夫は前の結婚では奥さんが治療していてやっと授かった子だったそうですが、子作りの段階で不仲になっていて、夫婦生活が義務のようになり苦痛だったと話してくれました。私自身もそこまで子どもが欲しいという思いもなく、それに治療して自分に原因があるというのがわかるのが怖いという思いもありました。昔から生理が重くて不順、それに様子を見ている段階の子宮の病気もあったので。夫が『2人でも楽しく夫婦生活を送ろう』と言ってくれて、正直なところホッとしました」

しかし、それを良しとしなかったのが義母。しきりに孫の話をしてきたと言います。

「夫は一人っ子で、義母は一度かわいがった孫の思い出を私に話し続けました。孫の話をするときはいつも元奥さんの悪口もセットで。どうやら家事放棄が原因と思い込んでいるみたいで『部屋がいつも汚かった』とか『外食ばかりで料理をちゃんと作っていたのは最初だけ』などの言葉を聞くと、今後そうなるなよ!と釘を刺されているような気分でしたね。また、『良かった部分は孫を産んだことだけだったのに』と、産んでいない、産む努力をしていない私へのけん制の言葉も挟んでいるようでした」

【義両親と距離を置いた原因は私。元奥さんはうまくやっていたのに……。次ページに続きます】

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