取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

今回お話を伺った桃子さん(仮名・39歳)は32歳のときに2歳下の男性と結婚。現在は旦那さまと子どもとの3人暮らしをしています。何年も義母との関係に違和感を覚えながらも、うまくいくように努力してきたと訴えます。

「義母は、嫌味とも親切ともとれるような態度で私にずっと接してきました。それを無理にでも、本当はいい人だからと受け入れてきたのです」

13年付き合った男性と30歳で破局

桃子さんは千葉県出身で、両親と3歳上に兄のいる4人家族。父親は美容師をしており、母親は結婚後に美容師の資格を取得して一緒にお店を経営。兄も桃子さんも自然と美容師を目指していました。

「両親は高校の同級生で、父が先に就職して、母親の大学卒業を待ってすぐに結婚したみたいです。母親は大学を出たものの就職せずにそのまま家庭に入り、兄と私の子育てがひと段落してから美容師の資格を取得して、2人でお店を始めました。

私は両親の姿を見て美容師に憧れるようになったし、兄も美容師の道に進んだので自然とそのレールが敷かれていた感じでした。父と同じ学校に兄と私も通ったので、父を教えていた先生が私のときにもまだいて、家族ぐるみでお世話になることもありました」

桃子さんにも高校の頃からずっと付き合っていた男性がいたそうですが、同棲まで進むも相手が結婚の意志を示さずに破局。高校生のときから付き合って、13年で破局を迎えます。

「30歳のときに別れました。同棲したのが24歳のときでその1年後には結婚したかったんです。両親が結婚が早かったから、私も20代で子どもを産んで、若いお母さんになりたかった。それなのに、付き合っていた彼とはそんな話にまったくならなくて……。私から結婚したいと言ったこともありますが、『まだ貯金がたまってない』『今はまだお互い仕事を頑張ろう』とかなんとかかわされ続けました。もっと早く別れるべきだったのに、それでもいつかはって、彼に期待していた自分がいました。とても後悔していますね」

【元カノと比べて、かわいいと褒めてくる義母。次ページに続きます】

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