取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺った香織さん(仮名・38歳)は33歳のときに結婚、現在はパート勤務をしながら都内で子どもとの3人暮らしをしています。義家族との関係は結婚前から良好で、結婚には義母と義妹のアシストがあったと振り返ります。
「もしかしたら夫はまだまだ結婚なんて考えていなかった時期かもしれませんが、義母の猛プッシュで私を実家に連れて行くことになり、そこから家族のちょっとしたお出かけに誘われるようになりました。義家族には結婚前から家族のように接してもらい、私と家族が仲良くしている姿を見て、夫も私との結婚を意識するようになったのかなって思います」
頼ることが苦手な私には、お節介が丁度いいと思っていた
入籍は香織さんの33歳の誕生日に。しかし、誕生日と結婚記念日を一緒にしたことを後悔することになったとか。
「結婚の翌年から毎年義両親に誕生日会を開いてもらうことになってしまったのです。最初の1、2年だけだろうと思ったら、律儀に毎年……。最初から30代半ばですでに誕生日が嬉しい年ごろでもないのに、手作りのケーキに、たくさんのお料理とこじんまりとしたものでもなくて(苦笑)。結婚前からたくさん食べる人だと思われているから、誕生日は必死で食べて太る日になってしまいましたね。
そもそも夫は忘れっぽいところがあるので、結婚記念日を忘れないように私の誕生日にしたのに。結局当日に2人でゆっくりとお祝いはできず、前日から0時を迎えるときにお祝いするものになってしまいました。さすがに夫がやめるように伝えると言ってくれたんですが、最初に大げさに喜んでしまった分、断るのにも罪悪感があり。この最初の躊躇がいけなかったんだと思います」
香織さんは36歳のときに妊娠が発覚。そのときには義母や義妹の存在がとても心強かったそうで、実の母親以上に世話を焼いてくれたと言います。
「自分から人に何かを頼むことが昔から得意じゃなくて、それは母親にもそうでした。しかし、義母やすでに子どものいる義妹はあっちから色々してくれるのでこっちが遠慮する隙がなくて、本当に力強かった。調子が悪いときも少しの電話でその異変に気付いて駆けつけてくれたり、私が食べられるものを色々探して試してくれたり。高齢出産で総合病院での出産になった私は病院までの距離が少し遠かったのですが、通院に付き添ってくれたこともありました」
【近すぎる距離感にイライラ。このままではいつか我慢の限界に。次ページに続きます】