退職金は、リタイアメント生活を楽しく豊かに暮らすための大切な資金になります。一時に多額のお金が手元に入りますので、色々な提案が持ちかけられると思います。銀行などの金融機関でよく提案されるものとして「退職金専用定期預金」がありますが、その内容はどのようなものなのか。

また、他にどのような「退職金専用」の特別プランが用意されているのか。メリットだけに目を奪われ、誤った選択をしないために注意することは何か。

100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来が分かりやすく解説します。

目次
退職金をもらったら…
退職金専用定期預金のメリット・デメリット
退職金を運用するには…
まとめ

退職金をもらったら…

退職金が預金口座に入金されると、預け先の銀行などの金融機関から電話がかかってくるケースが多くあります。銀行等は、まとまった金額になるので普通預金にしておくのはもったいないから有利な「退職者向けのキャンペーン商品」を用意し、それを勧める目的で連絡をするのです。

その代表的なもののうちの一つが「退職金専用定期預金」になります。また、これ以外にも「退職金専用」の特別プランが用意されていて、資産運用も含めた提案がされます。このときに注意したいのは、利益にばかり目を向けて判断しないことです。

退職金専用定期預金のメリット・デメリット

ここでは、退職金専用定期預金のメリットとデメリットをご紹介していきます。

【退職金専用定期預金】

大手銀行を始めとする多くの金融機関では、「退職金専用定期預金」を設けています。

普通の定期預金よりも金利が高く設定されていることが多く、退職金の受け取り後から一定の期間内に預けることが条件となっていることがほとんどです。退職金の預け入れ金額には最低金額が設けられているなどの一定の要件がありますが、普通預金や一般の定期預金よりも高い金利が適用される点は魅力といえます。

退職金専用定期預金の大きなメリットのひとつは、何といっても金利の高さです。多くの金融機関の場合、その利用条件によって変わりますが、3か月ものの通常金利が年0.002%のところ、年1.0%にアップするプランもあるようです。

退職金の預け入れは最低500万円以上など、金額に縛りが設けられていることが多いのですが、普通預金や一般的な定期預金と比べると、受取利息が格段に高くなります。ただし、預け入れ期間は数か月と1年以内であることが多く、専用定期預金の期間内にかぎり高い金利が選択されて、満期以降は通常の定期預金の金利が選択されます。

【退職金運用プラン】

次に、よくある「退職金運用プラン」についてみてみましょう。

多くの金融機関では「退職金専用定期預金」とは別に、「定期預金」と「資産運用」をセットにして申し込むと、さらに金利がお得になる特別なキャンペーン商品が用意されています。商品名は金融機関によってまちまちですが、大体同じ仕組みになっています。

こちらの商品は、例えば半分を「定期預金」に預け、残りの半分を「投資信託」や「ファンドラップ」に預けるようなパッケージ商品となっています。特別キャンペーン商品ですので、定期預金の金利を「6%」という破格の設定にしている場合がほとんどです。キャンペーン金利については金融機関によって差があるので比較するとよいでしょう。

破格の金利設定とはいえども、「退職金専用定期預金」と同様にその優遇金利は3か月間といった短期間に限定されている場合がほとんどで、そのあとは通常の金利(現在0.002%が一般的)に戻ることは認識しておきましょう。

破格のキャンペーン金利が得られる一方で、残りの半分で購入する「投資信託」や「ファンドラップ」には「買付手数料」や「信託報酬」が2%、3%かかるものがあるということも知っておく必要があります。

例えば、2000万円でこのキャンペーン商品を購入すると、3か月間で受け取れる「定期預金利息」は1000万円の6%の12か月分の3か月で15万円となりますが、残りの1000万円の「投資信託」の買付手数料が3%かかるのであれば30万円引かれてしまうので、そもそも支払う手数料の方が多くなってしまいます(※計算には税金を考慮していません)。

もちろん購入した「投資信託」が順調に増えていけば問題ないのですが、それはリスクを伴うものなので結果はわかりません。また、最近よく耳にする「ファンドラップ」ですが、こちらは「投資一任契約」を結んで金融機関に資産運用を託すサービス商品です。投資経験のない初心者でも自分で投資信託などの金融商品を選ぶ手間が省け、安心して始められるというメリットがあります。

一方、毎年ファンドラップ契約の管理手数料が1.5%程度かかるような場合も多く、それと同時にファンドラップの中で投資している投資信託の信託報酬も払い続けることになるので、意外とコストがかさむ場合があるので要注意です。

必ずコストについて金融機関の担当者に確認しましょう。このように、商品の中味をよく理解したうえで判断する必要があるということを忘れずに意識しておくことが大切です。

退職金を運用するには…

まずは自分自身の「投資可能額」を知るべきです。「投資可能額」は、資金を「3つの財布」に分けることによって把握できます。

(1)まず、最初の財布は「備える財布」です。

「緊急予備資金」または「キャッシュリザーブ」ともいい、文字通りいざという時のための財布で、一般的には毎月の生活費の3か月から1年分をよけておき、不意の出費に備えます。

(2)2番目の財布は「使う財布」です。

「目的資金」は「ゴール資金」ともいい、今後10年間に必要となる自宅の修繕費や車の買い換えや海外旅行の費用など、まとまって必要となる目的を持ったお金のことです。その都度この財布から使っていきます。

(3)そして最後は「育てる財布」です。

上記の2つの財布を分けた後に残るお金のことを「長期資金」の財布と呼びます。「長期資金」は少なくとも10年間は使う予定のない財布となるので、リスクをとって資産運用することができる資金、つまり「投資可能額」となるわけです。

このように「3つの財布」に分けることにより自分自身の「投資可能額」が把握できたら、その範囲で投資を検討します。投資をする際には、「リスク」についてしっかりと理解して、それをコントロールするために「分散投資」を取り入れましょう。

「タマゴを一つの皿に盛るな」の格言に従い、株式や債券などを組み合わせて全体の値動きを抑えながらじっくり長期で取り組むことが大前提となります。

まとめ

 長年勤め上げてやっと手にした大切な退職金ですので、無駄なく有効に活用しながら老後の生活を楽しみたいものです。色々な金融商品があるなかで、自分自身にとってベストな選択をするためには、まずは将来のライフプランを作ってみましょう。

長生きの人生を豊かに楽しく暮らすため、早めに取り組むことをお勧めします。  保険や金融商品などを販売しない、中立的なファイナンシャルプランナーは相談者の立場に立って最適なリタイアメントプラン作りをお手伝いします。 

●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

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