スポーツや音楽など何でもそうですが、何かを始める時にはまずは基礎から学びます。資産運用も同様に、始める時には事前にある程度勉強をして基本的な知識を身につけておく必要があります。資産運用の勉強は何から取りかかれば良いのでしょうか。100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック®(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー藤原未来が解説します。
資産運用を学ぶには
資産運用を学ぶ前に、「そもそも自分はなぜ資産運用をしたいのか」「なぜ資産運用が必要なのか」と問いかけてみましょう。多くの場合は、「お金を増やしたいから」「お金を増やす必要があるから」という答えが返ってきます。
では「何の為に」「いつまでに」「いくら」が必要なのか。それによって資産運用の方法が変わってきます。例えば「老後資金の為に」「20年後に」「1000万円」が必要な人と、「家を買うために」「5年後に」「300万円」が必要な人とでは取り組み方が違うので、資産運用の勉強方法も変わってくるわけです。「何の為に」「いつまでに」「いくら」必要なのか。資産運用の目的が明確になったら、それに合わせて勉強方法を選びます。
勉強する内容は、「資産運用の原則」と「投資商品の選び方」と「始め方とメンテナンス」の大きく3つに分類して整理されます。
1.資産運用の原則
(ア) 利回り(インカムゲイン、キャピタルゲイン、トータルリターン)
(イ) リスクとそのコントロール方法について
(ウ) 経済全体の仕組み(金利、インフレ、株価、為替とそれぞれの関連性)
2. 投資商品の選び方
(ア) 債券投資とは
(イ) 株式投資とは
(ウ) 不動産投資とは
(エ) 投資信託とは
(オ) 生命保険とは
(カ) FX投資とは(外国為替)
(キ) その他(金や原油や商品先物取引など)
3. 始め方とメンテナンス
(ア) 投資商品の購入の手続き(どこでどうやって買うか)
(イ) コスト管理(維持手数料や税金)
(ウ) マーケットや経済情報(金利、株価、為替、経済成長率、各国金融政策など)
(エ) 資産の保全(ポートフォリオ管理、物件管理など)
以上の項目別に、自分がどの部分を学びたいかを決めたうえでセミナーや本やインターネットで勉強していきましょう。いずれにしても「1.資産運用の原則」は必須項目になりますので、まずはこれからしっかり学んで知識を得たうえで、「2.投資商品の選び方」や「3.始め方とメンテナンス」へと進んでください。
資産運用おすすめの勉強法
具体的な勉強方法ですが、一番手っ取り早いのはセミナーへの参加です。インターネットで検索すると、資産運用に関する様々なセミナーが開催されています。ほとんどが無料のオンラインセミナーになっているので、パソコンやスマートフォンで手軽に参加できます。
SNSやブログなど、インターネットを通じて情報を収集することもできます。パソコンやスマートフォンがあまり得意でない方は、書籍や雑誌などの紙媒体の方が安心して読みやすいでしょう。それぞれの特徴を把握して自分に合った勉強法を見つけてみましょう。
勉強会・セミナー
資産運用を効率よく勉強するには、セミナーや勉強会への参加がおすすめです。プロから学ぶことにより、独学では得られない知識やノウハウを身に付けられます。セミナーの内容は多岐多様にわたるテーマで開催されているので、自分は何を学びたいのか、目的意識を持って参加しましょう。セミナーの規模も大小様々ですが、小規模のものであれば、講師に直接質問ができることもありますので、個別の疑問点について知りたい場合は便利です。
セミナーの主催者や講師についても、確認をしておく必要があります。保険会社や金融機関、あるいは不動産業者が開催するセミナーは、それぞれの商品販売の促進が目的になっているので、そのような斡旋があることは想定したうえで参加します。それと同時に、それらの商品に誘導する内容になっていないかチェックしながら参加する姿勢も必要です。自分にとって本当に必要な情報だけを持ち帰るように心がけましょう。
開催形式にはリアル会場参加とオンライン参加がありますが、新型コロナウイルス感染対策で、オンラインセミナーが急増しました。オンラインセミナーはパソコンやスマートフォンとネットワーク環境があれば自宅でもどこでも好きな場所で参加できます。
また、ウェビナーとよばれるライブ中継形式で参加者が画面に映らず講師の顔と資料だけが映し出される形式のセミナーもあり、気楽に参加できます。あらかじめ撮影されたセミナー動画も数多くありますので、手軽に見ることができるうえ、早送りや途中をスキップして時間短縮できる点も便利です。
本やネット
独学で資産運用の勉強をしたい人は、最初に「資産運用の原則」が学べる書籍を選んで学習しましょう。まずは資産運用の基礎知識を把握したうえで、より実践的な知識やノウハウを勉強できるものに進んでいくのがおすすめです。書籍での学習なら、自分の好きな時間にできますので時間を有効活用できます。また、気になる部分に付箋を貼ったりマーカーで印を付けたりできますので、あとで読み返すときにポイントを拾えるのも本の良いところですね。
今の時代は本も雑誌も新聞もインターネットで電子版を購入することができます。パソコンやスマートフォンで読むことに慣れていれば、本や雑誌を持ち歩く必要はなくなります。電子版の有料コンテンツ以外にも、「サライ.jp」のように、無料配信されるインターネット記事も数多くありますので積極的に活用したいものです。特集記事やトレンドに合った新鮮な情報を手に入れることができます。
一方でインターネットではブログやSNSを通じて膨大な資料があふれていますが、すべてが信憑性のあるものとは限りません。発信元の会社や記事を書いている人のプロフィールを確認して、内容の適正性を判断していく力も必要となります。すべてを鵜呑みにせずに、いくつか他の記事と見比べるようなクセもつけましょう。
アプリ
スマートフォンでは資産運用や投資に関連する「アプリ」が紹介されています。その多くは無料で手軽にダウンロードできて便利です。スマホアプリは大きく3つのタイプに整理できます。
1. 投資商品取引用アプリ
中でも最もよく目に付くのが「投資商品取引用アプリ」です。株や投資信託といった投資商品の取引ができるアプリで、口座開設から注文、購入、売却などの一連の手続きができます。取引機能がとてもシンプルで使いやすく設計されていて、ワンタップや画面のスライドだけで売買ができるものもあります。アラート機能なども備わり、売買のタイミングなどの通知もセットできるので、いつも持ち歩いているスマホの便利さが活かされています。
2. 資産管理用アプリ
資産管理用アプリは、銀行の通帳や証券口座、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどの資産全体を一元的に管理できるアプリです。それぞれの口座の日々の入出金や残高を反映、そのアプリを開いてみれば、現在の資産状況がグラフなどで表示され一目で分かる便利ツールです。どの金融機関と連携できるかは、アプリによって異なります。
3. 情報収集用アプリ
情報収集用アプリは、株価情報など資産運用に役立つ情報を提供しているアプリです。多くの場合、経済ニュースや金融ニュース、株価・為替の動きなど投資に必要な情報をリアルタイムで入手できます。スマホの通知機能をセットしておくと決まった時間にマーケット情報が手に入れられるので自分でニュース検索などをしなくても済むし、見逃しも避けられるでしょう。
まとめ
資産運用の勉強には色々な手段やツールがあることを紹介しました。あふれる情報を取捨選択しながら、「資産運用の原則」「投資商品の選び方」「始め方とメンテナンス」を自分自身の目的に合わせて学ぶことが大切であることを忘れないようにしましょう。
自分で勉強するのは時間も取れないし難しいという人は、お金の専門家にレクチャーしてもらうのも選択肢の一つです。商品販売をしない中立的なファイナンシャルプランナーは、相談者の立場に立って最適な資産運用をアドバイスしてくれます。
●構成・編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB:https://www.facebook.com/kyotomedialine/)
●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)
株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com)