体重を落としたい。でも、食べる量を減らすダイエットはつらく、なかなか長続きしませんよね。そこで、池上敏郎医師の著書『お腹いっぱい食べて内臓脂肪を落とす 大豆ミートダイエット』から、植物性タンパク質である「大豆ミート」を食事に取り入れて、無理なくダイエットする方法をご紹介します。
文・池谷敏郎
大豆ミートは、「おいしくて」「飽きがこない」究極のダイエット食材です。
「大豆ミート(Soy meat)」とは、大豆の植物性タンパク質からつくられた「お肉もどき」のこと。“もどき”というと、ちょっと聞こえが悪いですが、おいしく調理されたものは、食感や味わいがまさに肉そのもの。本物の肉を食べているような満足感を得ながらダイエットできるなんて、夢のようですよね。
まずは、ダイエットの強い味方となるスーパー食材“大豆ミート”の4つの魅力をご紹介しましょう。
大豆ミートの4つの魅力
魅力1 体重が減り、体の中から健康になる
なんといっても最大の魅力はコレ。
大豆ミートを食事に組み込むことで体重が減るのです。お腹周りの気になる脂肪もスッキリして、見た目も若返ります。さらに、血中の糖質や脂質の異常なデータの改善も期待できるので、まさにいいことづくめのダイエットです。
なぜ食べることで体重が減るのかというと、大豆ミートを食事に取り入れることで糖質や脂質の摂取量を無理なくセーブできるとともに、摂取カロリーも抑えることができるから。大豆ミートの原料である大豆は、糖質含有量が少なく低脂質で高タンパク質という、まさにダイエットにぴったりの食材なのです。
さらにもうひとつの魅力は、ただやせるだけでなく“健康になる”ことです。大豆は日本が世界に誇る健康食材。豊富な栄養素を含む大豆ミートを食べれば、ダイエットしながら栄養バランスまで整えることができるのです。
魅力2 肉のような満足感があるから続けられる
あなたが過去にダイエットに励んでいたときのことを思い出してください。肉と魚と豆腐の料理からどれかひとつを選ぶ機会があったら、どれを選んでいましたか? 好みもあるでしょうが、ダイエットのためだからと肉をガマンして魚料理や豆腐料理を選んだという人が多いのではないでしょうか。
私も経験がありますが、肉が嫌いな人を除けば、それってかなりのストレスです。しばらくは続くかもしれませんが最終的にはガマンできなくなり、「ダイエットなんてもういいや」とあきらめてしまっていたのではないでしょうか。
ご安心ください。大豆ミートは最先端の加工技術を駆使して、かぎりなく肉に近い食感を再現しているので、「大豆」ではなく「肉」を食べているような満足感があります。これまでのダイエットにありがちな、「肉を食べたいけどガマンする」というつらさがありません。だから続けられます。
魅力3 大豆のヘルシーパワーがギュッとつまっている
大豆は“畑の肉”とも呼ばれ、スゴイ健康効果を秘めた食品です。良質なタンパク質、豊富な食物繊維、代謝アップに役立つビタミンB群やミネラル、更年期症状の改善に役立つ大豆イソフラボンなど、健康と美容に役立つさまざまな栄養素がギュッとつまっています。
便秘、肌荒れ、骨粗しょう症、メタボに悩んでいる方、コレステロールや中性脂肪の異常、高血糖や高血圧などを気にする方にも最適。大豆ミートは、体重が減るだけでなく、見た目も中身も若返って健康的な体が手に入り、将来の病気のリスクが減る点も大きな魅力です。
魅力4 クセがないのでアレンジしやすい
自分好みにアレンジしやすいのも大豆ミートの魅力です。現在、市販されている大豆ミートには、乾燥させたものを戻して肉のように調理して使うもの、ハンバーグやハム、ソーセージに加工されたものなどがあります。大豆そのものはあまりクセがなく、淡泊な味わいなので、自分好みに調理して活用することができます。
乾燥状態の大豆ミートを戻すときのひと工夫で、やせる大豆ミートに変身させるとっておきの方法も紹介しています。大豆ミートにかつお粉としょうがをまぶすだけで、おいしさがアップし、さらなるダイエット効果も期待できます。
池谷式「大豆ミートダイエット」の4つのポイント
ポイント1:肉を大豆ミートで代用し、カロリーを大幅にダウン
牛肉や鶏肉、豚肉の代用として大豆ミートを使えば、おいしさはそのままにカロリーは大幅に減らせます。脂質もコレステロールも減らせるので健康効果もアップ。
ポイント2 大豆ミートファーストで血糖値の急上昇を抑制
食べる順番を変えるだけで、ダイエット効果がアップ。最初に大豆ミートのおかず、最後に糖質(米・めん・パン)を食べることで、血糖値の上昇がゆるやかに。
ポイント3 ゆる糖質制限を組み合わせる
ゆるやかな糖質制限(糖質の量をこれまでの1/2〜1/3の量に減らす)を組み合わせることで、ダイエット効果がさらにアップ。短期間で体重が減ります。
ポイント4 “やせる大豆ミート”にしてダイエット効果をアップ
そのままでも肉より格段にヘルシーな大豆ミートですが、さらにダイエット&健康効果をプラス。「かつお粉」と「しょうが」でパワーアップさせて使います。
“やせる大豆ミート”の作り方
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『お腹いっぱい食べて内臓脂肪を落とす 大豆ミートダイエット』 池谷敏郎 著
(アスコム)
池谷敏郎(いけたに・としろう)
池谷医院院長、医学博士。1962年、東京都生まれ。東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。専門は内科、循環器科。97年、医療法人社団池谷医院理事長兼院長に就任。血管、心臓などの循環器系のエキスパートとして、現在も臨床現場に立つ。30代のころ15kgの減量に成功した経験を基に、健康的に無理なく痩せるダイエット理論を確立。50歳を超えてからも体脂肪率10.6%をキープする「ダイエットの名医」として、数多くのテレビ出演、新聞・雑誌への寄稿、講演会などでのわかりやすい医学解説が好評を博している。著書に『「血管を鍛える」と超健康になる!』(三笠書房)、『血管・骨・筋肉を強くする!ゾンビ体操』(アスコム)など、数々のベストセラーがある。