細やかで淡い色合いの絵で人々を魅了する画家・安野光雅さん(1926-)が、皇后陛下の御所の庭園でスケッチした草花の絵の展覧会が、岡山県新見市の新見美術館で開催されています。(~10月10日まで)
安野さんは、島根県津和野生まれ。幼少期より画家になる夢を抱き、美術教師として上京、教員のかたわら本の装丁など出版関係の仕事を手掛け、昭和43(1968)年、『ふしぎなえ』で絵本界にデビューしました。想像力や独特のユーモアにあふれた作品は、国際アンデルセン賞をはじめ国内外の多くの賞を受賞、平成24(2012)年には文化功労者に顕彰されました。
本展で紹介する「花」をテーマにした作品は、これまでの安野作品とは違った画境をみせてくれます。繊細な筆致と優しい色彩で表現された御所の豊かな自然をご覧いただけます。
本展の見どころを、新見美術館・学芸員の藤井茂樹さんにうかがいました。
「絵本作家、画家、装丁家として幅広い活動を続ける安野光雅さん。安野さんは、天皇皇后両陛下の本を装丁したご縁から、平成23年(2011)1月から翌年4月にかけて、皇后の御所の庭を訪れ、四季の花々をスケッチする機会に恵まれました。
その写生をもとに制作された水彩画は今までの安野さんの作品とは一味違った世界を見せてくれます。この展覧会では御所に咲く四季おりおりの草花の水彩画130点を一堂に展示します」
ふだん覗くことのできない御所の庭を身近に見られる展覧会です。ぜひ足をお運びください。
新見美術館のサイトはこちら
【安野光雅 御所の花 -両陛下のお庭を彩る四季の草花を描く-】
■会期/2016年8月25日(木)~10月10日(月・祝)
■会場/新見美術館
■住所/岡山県新見市西方361
■電話番号/0867・72・7851
■料金/一般700(600)円 大学生500(400)円 中高生300(250)円 小学生200(150)円 ( )内は15名以上の団体料金 ※新見市内の小中学生は「こころふれあいパスポート」提示で無料、「高梁川流域パスポート」提示の小学生は土・日・祝日は無料
■開館時間/9時30分から17時まで(入館は16時30分まで)
■休館日/月曜日(ただし9月19日、10月10日は開館)
■アクセス/JR伯備線新見駅より徒歩約10分
取材・文/池田充枝
1989年「サライ」