15世紀から17世紀初頭にいたるルネサンス期のヴェネツィア絵画の流れを編年的に紹介する展覧会が、国立新美術館で開催されています。
日伊国交樹立150周年を記念した展覧会で、14世紀から18世紀にいたるヴェネツィア絵画を核にした「アカデミア美術館」(イタリア・フィレンツェ)のコレクションを中心に、選りすぐりの57点の名画によってヴェネツィア・ルネサンス絵画を一望できます。
自由奔放な筆致と豊かな色彩表現、大胆かつ劇的な構図を持ち味としたヴェネツィア・ルネサンス絵画の名品がそろう本展。その見どころを、国立新美術館主任研究員の宮島綾子さんにうかがいました。
「本展は、15世紀から17世紀初頭にいたるルネサンス期のヴェネツィア絵画の流れを編年的に紹介する展覧会です。ヴェネツィア絵画のなかでもルネサンスに焦点を絞った展覧会は、日本で初めての試みとなります。
本展には、ヴェネツィア派の父とも称されるジョヴァンニ・ベッリーニの《聖母子》をはじめ、盛期ルネサンスの立役者ティツィアーノの作品など、ヴェネツィア・ルネサンスを語るうえで欠かせない傑作があますことなく網羅されています。圧巻はサン・サルヴァドール聖堂から特別出品されるティツィアーノの《受胎告知》で、高さ4mを超える祭壇画の大作です。
また、ルネサンス絵画の歴史とは別に、ヴェネツィア派の肖像画のセクションも見ごたえがあります。ヴェネツィアの共和国政府で活躍した政府要職者や上層市民の人々の人間味あふれる風貌が、とてもいきいきと描かれています」
本展は大阪・国立国際美術館に巡回(10月22日~2017年1月15日)されます。お楽しみに。
展覧会サイト http://www.tbs.co.jp/venice2016
【日伊国交樹立150周年特別展 アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち]】
■会期/2016年7月13日(水)~10月10日(月・祝)
■会場/国立新美術館 企画展示室2E
■住所/東京都港区六本木7-22-2
■電話番号/03・5777・8600(ハローダイヤル)
■料金/一般1600(1400)円 大学生1200(1000)円 高校生800(600)円 ( )内は20名以上の団体料金 ※中学生以下無料、9月17日~19日は高校生無料(要学生証)、障がい者手帳所持者と介護者1名は無料
■開館時間/10時から18時まで、金曜日と8月6日・13日・20日の土曜日は20時まで(入場は閉館30分前まで)
■休館日/火曜日(ただし8月16日は開館)
■アクセス/東京メトロ千代田線乃木坂駅青山霊園方面改札6番出口より直結、都営地下鉄大江戸線六本木駅7番出口より徒歩約4分、東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口より徒歩約5分
取材・文/池田充枝