「おそらくルノワールは悲しい絵を一度も描かなかった唯一の偉大な画家」とフランスの小説家、オクターヴ・ミルボーが語るように、ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841-1919)自身も絵画は「愛すべきもの」「愉しく、美しいものでなければならない」と晩年に語っています。
60年におよぶ画業のなかで、さまざまな主題に取り組んだルノワールですが、すべてに共通しているのは、温かく、愛情に満ちた眼差しです。
ルノワールにとって、生きることは描くこと、描くことは悦びであったといえます。

《若い女性》1877年
山王美術館
山王美術館で開催の「生誕185年 ルノワール展」は、山王美術館のコレクション約50点を一挙に公開し、その画業の一端を辿ります。(3月1日~7月31日)
本展の見どころを、山王美術館の広報ご担当、亀井里香さんにうかがいました。
「山王美術館は、50点を超えるルノワール・コレクションを収集しています。ルノワールの生誕185年を記念した本展では、初公開作品11点を含む全コレクションを一堂に展示いたします。
なかでも、初公開の《噴水による浴女》は、岐阜県美術館所蔵の《泉》や大原美術館所蔵の《泉による女》と同主題によるものです。「自然のなかの裸婦」という伝統的主題を探求し続けたルノワールの生命感にあふれたこの裸婦像は、ルノワールが到達した新しい表現といえます。

長い画家生活のなかで多岐にわたる主題に取り組んだルノワール。花、風景、静物、裸婦、装飾画などなど、主題はバリエーション豊かです。
いずれの主題においても共通して、愛情に満ちた、温かな画家の眼差しが注がれています。本展では、《緑の花瓶のバラ》(初公開)の花をはじめ、風景から装飾画まで幅広く展示します。


また本展では、コレクション約50作品で、ルノワールの創作の軌跡を辿ります。印象派時代から、古典へと回帰したアングル時代、「自然の中の裸婦」という伝統的な主題に取り組み始めた南仏時代、さらに晩年に開花する豊潤な色彩による作品群まで、画業の軌跡を「1章 ~1880年 画家をめざして」「2章 1881~1889年 古典への回帰」「3章 1890年~1900年 高まる評価のなかで」「4章 1901~1909年 南仏・カーニュの地にて」「5章 1910~1919年 生命の賛歌」の5つの章で辿ります」

いつの時代にあっても人々を魅了してやまないその美の真髄を、会場でじっくりご堪能ください。
【開催要項】
生誕185年 ルノワール展
会期:2026年3月1日(日)~7月31日(金)
会場:山王美術館
住所:大阪府大阪市中央区城見2-2-27
電話:06・6942・1117
公式サイト:https://www.hotelmonterey.co.jp/sannomuseum/
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:火曜日・木曜日(ただし4月29日、5月5日、5月6日は開館)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
取材・文/池田充枝











