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選評/林田直樹(音楽ジャーナリスト)

ヴェネツィアで活躍したバロックの作曲家ヴィヴァルディというと、有名な「四季」を思い出す方も多いだろう。しかし彼が実はオペラ作曲家としても超一流であったことが、近年は広く知られるようになってきた。

その潮流の最先端を作り出してきたのが、イタリアを代表するメゾソプラノの大スター、チェチーリア・バルトリである。

今回のアルバム『優しき女よ』は、バルトリが自信をもって世に放つ、約20年ぶりのヴィヴァルディ・オペラ・アリア集の第2弾で、その内容は期待をはるかに超える。

何という鮮やかな音の色彩のコントラストだろう。バルトリのイタリア語歌唱は、美と醜のぎりぎりの境界にあるかと思わせるほど激しい。スピノジの指揮も繊細さと迫力に優れる。

あるときは地を這うように、またあるときは大空を高く舞う、変幻自在な声の超絶技巧と、底に流れる深い感情には、聴く者だれしもが圧倒されずにはいられないだろう。(>>試聴できます)

【今日の一枚】
優しき女よ
チェチーリア・バルトリ(メゾソプラノ)
ジャン=クリストフ・スピノジ指揮 アンサンブル・マテウス

発売:ユニバーサル・ミュージック 
電話:045・330・7213
2000円

文/林田直樹
音楽ジャーナリスト。1963年生まれ。慶應義塾大学卒業後、音楽之友社を経て独立。著書に『クラシック新定番100人100曲』他がある。『サライ』本誌ではCDレビュー欄「今月の3枚」の選盤および執筆を担当。インターネットラジオ曲「OTTAVA」(http://ottava.jp/)では音楽番組「OTTAVA Salone」のパーソナリティを務め、世界の最新の音楽情報から、歴史的な音源の紹介まで、クラシック音楽の奥深さを伝えている(毎週金18:00~22:00放送)

※この記事は『サライ』本誌2019年4月号のCDレビュー欄「今月の3枚」からの転載です。

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