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選評/林田直樹(音楽ジャーナリスト)

現代を代表するピアニストの一人で、1953年ハンガリー出身のアンドラーシュ・シフは、活動の早い時期からシューベルトを最も得意としてきた。そのシフが、フォルテピアノによる新たなシューベルトの録音を名門ECMレコードでおこなっている。フォルテピアノとは、現代のピアノとは異なり、大量生産による工業製品ではなく、一つ一つが異なる手工芸品のように作られた、19世紀中ごろまでのピアノのことである。その独特の味わいに目覚める人々が増えていることは、いまのクラシック音楽の最も重要で新しい傾向のひとつである。

シューベルト:ピアノ・ソナタ集Vol.2
『シューベルト:ピアノ・ソナタ集Vol.2』は、第19番と第20番をはじめとする晩年の名作群が収められている。1820年代のウィーンで製作されていたブロートマン製のフォルテピアノは、夢見るような音色が美しい。シフの演奏は、どこまでも厳しく、透徹した音楽を追求している。

【今日の一枚】
シューベルト:ピアノ・ソナタ集Vol.2
アンドラーシュ・シフ(フォルテピアノ)

シューベルト:ピアノ・ソナタ集Vol.2

発売/ユニバーサル ミュージック 
電話:045・330・7213
(2枚組)4800円

文/林田直樹
音楽ジャーナリスト。1963年生まれ。慶應義塾大学卒業後、音楽之友社を経て独立。著書に『クラシック新定番100人100曲』他がある。『サライ』本誌ではCDレビュー欄「今月の3枚」の選盤および執筆を担当。インターネットラジオ曲「OTTAVA」(http://ottava.jp/)では音楽番組「OTTAVA Salone」のパーソナリティを務め、世界の最新の音楽情報から、歴史的な音源の紹介まで、クラシック音楽の奥深さを伝えている(毎週金18:00~22:00放送)

※この記事は『サライ』本誌2019年8月号のCDレビュー欄「今月の推薦盤」からの転載です。

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