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都心でも年中見られる「ヒヨドリ」3つの特徴【ベランダ野鳥観察のすすめ】

取材・文/柿川鮎子 写真/木村圭司

ベランダで野鳥を観察していて、必ず目に入る鳥のひとつがヒヨドリです。冬の間は特に、けたたましく鳴きながらヒヨドリ仲間で空中バトルを繰り返す姿が、よく見られます。

バードフィーダー(餌やり場)では餌を独占する嫌われ者で、野鳥に慣れてくると、たいして珍しい鳥ではないと思ってしまいがちですが、その生態は不思議に満ちていて、ヒヨドリならではの魅力がたくさん。

今回はそんなヒヨドリがもっと素敵に見えてくる3つのエピソードをご紹介しましょう。

■その1:都心部で繁殖するようになったのは最近のこと

今でこそヒヨドリは都心部でも一年中観察できるありふれた鳥ですが、東京都内では1960年代後半までは秋から冬に見られる鳥(漂鳥)でした。ところが1970年代いは春から夏にも生息し、子育てもする留鳥へと変化したのです。

当時の新聞の一面では「都内でヒヨドリが繁殖した」という記事が掲載されるなど、その生態の変化が注目されたのです。都内にいる野鳥の中では約半世紀を経て、ようやく市民権を得た野鳥と言えるでしょう。

なぜヒヨドリが都心部でも繁殖できるようになったのか、本当の理由についてはまだよくわかっていません。本来は平地から山地の林に生息する鳥で、少しずつ市街地から農耕地へと広がって行き、都市部でも生息場所を見つけたようですが、分布が広がった経緯についてもよくわかっていません。

都市部に進出した理由の一つとして、都市鳥研究の第一人者、唐沢孝一先生は餌の問題があると言います。

「野鳥の生態を見る中で、食餌の問題は重要なポイントとなります。ヒヨドリは植物の実、花の蜜、昆虫、そしてパンなどの人口食品など、何でも食べる雑食性の鳥です。都市部でそうした食べ物が豊富であったことから少しずつ増えてきたのかもしれません。とはいえ、本当のところ、どうして都内に進出してきたのか、はっきりしたことは、まだよくわかっていないんですよ」(唐沢さん)

■その2:優れた飛行能力をもっている

ヒヨドリは波状飛行(バウンディングフライト)と呼ばれる飛び方ができる上、空中で止まる停空飛翔(ホバリング)もできる優れた飛行能力をもっています。

波状飛行とは、短く羽ばたいて上昇した後、翼を畳んで滑空する飛び方で、スズメのようにパタパタ羽を上下に動かす直線飛行に比べると、消費するエネルギー量が少ないのが特徴です。また、ホバリングによって、止まりにくい木の枝についた実を空中キャッチすることができる素晴らしい能力をもっています。

ハチドリのようにピタッと空中停止するわけではありませんが、ハチドリの小さい体と比較すれば、見事な空中技と言わざるを得ません。

メジロ用の軽いバードフィーダーは重たい鳥が止まるとひっくり返る仕組みになっているので、ヒヨドリは必死にホバリングして蜜を食べます。

この優れた飛行能力を持って、ヒヨドリは集団で移動する「渡り」をします。ヒヨドリの渡りは津軽海峡の龍飛岬、愛知県の伊良湖岬、鹿児島県の佐多岬などが有名ですが、どこもヒヨドリにとっては命がけの飛行。渡りの途中で命を落とす個体も少なくありません。

タカの渡りで有名な愛知県の伊良湖岬では毎年秋、一日1万羽以上のヒヨドリが海面を渡る姿を観察することができます。ハヤブサなどに捕食されないよう、海面すれすれに集団で飛ぶ姿を、昔の人は「龍の渡り」と名付けて見守ってきました。うねうねと長く集団で飛ぶ姿は圧巻です。

しかし、このヒヨドリが渡った先でどのように暮らしているのか、どこまで渡っているのかについては、まだよくわかっていません。生態調査は進んでいるので、数年後、ヒヨドリについてのあっと驚く研究成果が発表されるかもしれません。

■その3:個体の違いが識別しやすい

都心部にいるヒヨドリは、外国人バーダーにとって、ヤマガラとともに人気の野鳥です。ヒヨドリ観察を楽しみに来日するイギリス人バーダーも多いのです。

ヒヨドリの英語名は「Brown-eared Bulbul」で、確かに顔の両側に茶色い耳のような羽が特徴的。逆光では黒っぽく見える全身も、よく見ると美しいグレーで、頭部の冠羽状の羽がやんちゃな腕白坊主らしい愛らしさ。よく見れば可愛い野鳥なのです。

ヒヨという鳴き声が名前の由来です。ヒヨヒヨと鳴く以外、繁殖期になると、いろいろな鳴き方をして、楽しませてくれます。ヒヨドリの巣は幸運の証という言い伝えも。

美しい姿であるのと同時に、よく見ると一羽ずつ羽や柄に特徴があります。私たちの身近な野鳥としてカラスがいますが、カラスは黒一色で目や嘴の具合でじっくり観察しないと、なかなか区別がつきにくいもの。一方、ヒヨドリは羽の模様や顔の茶色い部分の形、冠羽の立ち具合や、身体の大きさなどに差があり、ベランダによく来る個体が判別しやすいのです。

バードフィーダー(餌やり場)などがあれば、気が強い子、ちょっと弱気な子、うるさく鳴く子、我慢強い子など、それぞれ性格も異なるのがよくわかります。

*  *  *

以上、今回は都心でも見られる鳥・ヒヨドリについて、知っておきたい3つのことをご紹介しました。

個体の違いがわかりやすく、見ていて楽しいヒヨドリ。じっくり観察すれば、あなただけの「ココが可愛い」というチャームポイントが必ず見つかる魅力がたくさん。これからもずっと身近な鳥でいて欲しいものですね。

指導/唐沢孝一さん
研究者。1943年群馬県生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)理学部卒業。都立高校などの生物教師をへて、現在は執筆や講演、自然観察など多方面にわたって活動している。都市鳥研究会顧問、NPO法人自然観察大学学長。シジュウカラの研究で文部大臣奨励賞、モズの生態研究で日本鳥学会奨学賞。2003年市川市民文化賞(スウェーデン賞)を受賞。都市鳥に関する著作多数。「カラサワールド

文/柿川鮎子
明治大学政経学部卒、新聞社を経てフリー。東京都動物愛護推進委員、東京都動物園ボランティア、愛玩動物飼養管理士1級。著書に『動物病院119番』(文春新書)、『犬の名医さん100人』(小学館ムック)、『極楽お不妊物語』(河出書房新社)ほか。

写真/木村圭司

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