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かつてない新感覚のLPジャケットを考案してみた【オーディオ小僧のアナログ日誌 第16回】


文・絵/牧野良幸

アナログ・レコードとジャケットとは、昔から切っても切れない関係であった。特にLPのジャケットは30センチ四方の大きさが絶妙で、凝ったジャケット・デザインはそれ自体がアート作品と言ってよかった。たとえ同じデザインでもCDのサイズになってしまうと味けない。

とは言っても、50年近くアナログ・レコードと付き合っていると、少々飽きてくるものである。これはこれで別に不満はないのだが、最近はアナログ・ブームでもあることだし、若い人にアナログ・レコードを手に取ってもらうためにも、新しいコンセプトのLPジャケットを考えてみてもいいのではないか。

ということでオーディオ小僧も何か考えてみることにした。

まずは身近なものを応用して考えてみる。若い人に馴染みの深いCDのプラケースを、LPが収納できるサイズに大きくしたらどうか。

LP用だからプラケースの大きさは30センチほどの大きさになる。トレイにはCDと同じように、LPレコードをパチリとはめ込むやり方でいいだろう。「むき出しだから、盤面に傷がつきやすいね」という忠告はこの際無視する。

LPサイズだから、当然ブックレットも30センチ四方の大きさだ。ブックレットにはLPレコードによく入っている解説書をそのまま滑り込ませてもいいだろう。表紙にはオリジナルと同じデザインを印刷すればいい。帯も一緒にしまっておくことにしようか。

こうしてできあがったLP用のプラケース。頭の中で空想してみるのだけれど、やっぱりよくない。

まず30センチもあるプラケースというのが不気味だ。厚みも180g重量盤LPを入れるくらいだからCDのプラケースより厚くなる。ブックレットはLPジャケットとほぼ同じ大きさなのに、どこから見てもアート作品に感じない。ただの印刷物である。

じゃあブルーレイとかDVD用のケースをLPサイズに拡大してみたらどうか。解説書の類は十分に収納できる。縦長のケースだけど、もうう21世紀だ、今さら正方形にこだわることもあるまい。

しかしこれもよろしくないのは想像しただけでわかる。LPサイズになったブルーレイ風のケースは、大きいくせにペコペコ、表面も妙にツヤツヤして得体が知れない。こんなものがリスニングルームに何百枚もあったらそれこそ不気味である。

結局プラスチックという素材が良くないのだ。やはり素材は紙にするべきだろう。CDだってプラケースよりも“紙ジャケ”の方が愛されているではないか。あと、むやみに大きく厚くすると不気味なのも分かったから、サイズはLPが入るギリギリにとどめる必要があるだろう。

ということは、なんのことはない、これまでのLPのジャケットがベストだったのだ。なんだか「古女房がやっぱり一番いい」と気がついたような話になってしまった。こんなことカミさんには言えないけれど。

文・絵/牧野良幸
1958年 愛知県岡崎市生まれ。イラストレーター、版画家。音楽や映画のイラストエッセイも手がける。最近『僕の音盤青春記 花の東京編 1981-1991』(音楽出版社)を上梓した 。公式ホームページ http://mackie.jp

『僕の音盤青春記 花の東京編 1981-1991』
(牧野良幸著、定価 2,000円+税、音楽出版社)
https://www.cdjournal.com/Company/products/mook.php?mno=20171028

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