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夏目漱石が新婚早々、鏡子夫人に宣告した衝撃のひとこと【漱石と明治人のことば164】

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今年2017年は明治の文豪・夏目漱石の生誕150 年。漱石やその周辺、近代日本の出発点となる明治という時代を呼吸した人びとのことばを、一日一語、紹介していきます。

【今日のことば】
「俺は学者で勉強しなければならないのだから、おまえなんかにかまってはいられない。それは承知していてもらいたい」
--夏目漱石

夏目漱石が結婚して新生活をスタートさせてまもなく、鏡子夫人に対して宣告したのが、掲出のことばだという。夏目鏡子述・松岡譲筆録『漱石の思い出』に、そうある。

まだまだ封建的で男性上位の気風の強い明治時代とはいえ、漱石先生、新婚の妻に対して随分と武骨で冷たい言い種なのである。

当時の漱石は、熊本の第五高等学校の英語教師をしている。松山に勤務していた頃に結婚を約し、漱石自身も東京に戻りたい気持ちをもっていたがうまく運ばず、かえって東京から遠いところへ赴任することになっていた。

鏡子は箱入りのお嬢様だった。それが、結婚と同時にいきなり見知らぬ熊本の地で家庭を築いていかねばならない。ただでさえ戸惑うことの多い新妻からすれば、夫の宣告を「まあ、なんてことを言うのでしょう」と受けとめたかと思いきや、さにあらず。鏡子夫人は「学者の勉強するのくらいにはびくともしやしませんでした」と語っている。

後年、悪妻よばわりされることの多い鏡子夫人だが、どうしてどうして、漱石となかなか釣り合いがとれている。

照れもあって言い方はちょっと乱暴だったが、漱石が伝えたかったこと、鏡子が受けとめたことは、要はこれから夫婦として生きていくための「覚悟」といったものであったろう。甘い夢のような生活ばかり思い描いても、現実はそう運ぶわけもない。言外には「俺はこんな男だけど、真面目に一生懸命やるつもりだから、ついてきてくれ」という意を含んでいたと見ていい。

ふと、作家の山口瞳が結婚前の治子夫人あてに書いた手紙の一節を思い起こした。

「僕達は貧乏するための準備を、おもに心の準備を、しよう。明るく、楽しんで、貧乏出来るための心の準備を」

なんと素敵なラブレターだろう。

文/矢島裕紀彦
1957年東京生まれ。ノンフィクション作家。文学、スポーツなど様々のジャンルで人間の足跡を追う。著書に『心を癒す漱石の手紙』(小学館文庫)『漱石「こころ」の言葉』(文春新書)『文士の逸品』(文藝春秋)『ウイスキー粋人列伝』(文春新書)『夏目漱石 100の言葉』(監修/宝島社)などがある。2016年には、『サライ.jp』で夏目漱石の日々の事跡を描く「日めくり漱石」を年間連載した。

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