新着記事

【名門校の青春食堂 第6回】早稲田中学校高等学校×メルシーのラーメン(東京・早稲田)

文/鈴木隆祐早稲田生に愛されてきたワセメシの代表選手『メルシー』のラーメン早…

なぜお金持ちは長生きする?健康と経済の共通点から導く「健康長寿の秘訣」とは【予防医学の最前線】

文/中村康宏「お金」と「健康」といえば、サライ世代の多くの人が気にかけている問題では…

【夕刊サライ/角田光代】エジプト:悠久の街と、私のなかの悠久(角田光代の旅行コラム 第12回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。木…

長崎・小値賀の2つの教会【長崎の潜伏キリシタン関連遺産を旅する 第2回】旧野首教会/小値賀教会

写真・文/石津祐介キリスト教が禁教とされた時代、頑なに信仰を貫いた潜伏キリシタン。その信仰の…

袖裾ゴム式作務衣|軽快な着心地で動きやすい夏の作務衣

これからの季節は、庭仕事など屋外での作業が増えてくる。そんなときの“作業着”のひとつとして、…

谷崎潤一郎がまとっていた絢爛豪華な長襦袢【文士の逸品No.21】

◎No.21:谷崎潤一郎の長襦袢文/矢島裕紀彦長襦袢と呼ぶには、余りにも絢爛…

犬の飼い主は絶対知っておくべき「夏のキケンな果物」はブドウ

取材・文/柿川鮎子 写真/木村圭司人間にとっては美味しい果物ですが、犬や猫にとっては…

【夕刊サライ/テリー伊藤】「テリーが惚れた偉大なるクルマ賢人たち」(テリー伊藤のクルマコラム 第12回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。水…

鉄板を叩いてつくる山田工業所の「打ち出し式」鉄フライパン【メイドインニッポン紀行】

取材・文/編集部中華料理の料理人にとって、鍋は最も重要な道具である。炒める、揚げる、煮る、蒸…

房総半島の小国の大名・里見氏はなぜ関東の覇者と渡り合えたのか【半島をゆく 歴史解説編 房総半島 1】

『サライ』本誌で連載中の歴史作家・安部龍太郎氏による歴史紀行「半島をゆく」と連動して、『サライ.jp…

サライ最新号

ピックアップ記事

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

趣味・教養

悪臭も創造の母になる!? 想像力や感情を刺激する「ニオイ」の効能【大人のための発想術 第6回】

文・構成/鈴木隆祐

落語界きっての名人・古今亭志ん生は希代の「納豆好き」で、よく高座にかけた『唐茄子屋政談』という人情噺でも、主人公が売る品を納豆に変えてしまったほど。朝食には必ず納豆を出さないと機嫌が悪かったという。

若い頃は訳あって寄席に一時出られず、その間納豆の行商で生計を立てようとすらしたらしい。ところが「納豆ぉ~、納豆ぉ~」の引き売りの声が恥ずかしくて出せない。仕方なく、人のいないところばかり練り歩くが、さっぱり売れず、家族で売れ残りを朝昼晩と食べていたとか。

それではさすがに飽きてしまいそうなものだが、よほど好きだったと見え、最後の弟子の古今亭志ん駒が初めて師匠の家を訪れた際に、師匠の襟首にはご飯粒と納豆がくっついていて驚いた、などというエピソードも残っている。

さて、この納豆といえば、その「匂い」から嫌う人も多い。ことに関西ではそうだ。が、世界にはそんな悪臭が旨味とされる食品や料理が五万とある。

日本には他にもくさやに鮒鮓、スウェーデンにはニシンの塩漬けを発酵させたシュールストレミング、韓国にはエイの刺身を発酵させたホンオフェ、東南アジア全般の果実の王様ドリアン、等々。およそ発酵食品が多く、異様な匂いのぶん味わい自体が複雑だから、癖になる。発酵学者で名エッセイストの小泉武夫さんの著書の題ではないが、『くさいはうまい』のである。

また世の中には、悪臭で安らぎを得るという奇特な人物も実は多い。例えばゲーテと並んでドイツを代表する詩人フリードリヒ・フォン・シラーは、机の中に隠した持ったリンゴの腐臭を嗅いでは創作意欲をかき立てていたという。ベートーベンの『第九』で歌われる「歓喜の歌」の詩作も、そんな臭いの賜物なのだ。

フランス革命の申し子、ナポレオンも「ジョセフィーヌ、どうか体を洗わないでください。もうすぐ家に戻ります」と、遠く戦地から鼻の穴を膨らませて恋人を想ったほどの臭いフェチだった。こうなると、英雄色を好む、ではなく、英雄臭いを好む、とでも言っておこうか?

実際、匂い以外の感覚情報は、いったん脳の視床という中継基地を経由してから情報の吟味を経て、各々の感覚中枢へ運ばれる仕組みになっているが、匂いだけは香りの分子が鼻の臭粘膜から神経を通って、辺縁系という脳の深部にある嗅覚中枢に直接到達する。これは、太古の昔、動物が生き残るためにはまず匂いを頼りに、快・不快や安全・危険などについて即断せねばならなかったからだとされている。

しかも聴覚や触覚と同様、嗅覚は先天的に授かる原初機能であるため、野生動物に匹敵するほどの鋭さで、乳児は母親や母乳の臭いを嗅ぎ分けるという。一方で腐臭や体臭、キツい香水の匂いなどにも敏感で、それも生得的な防衛本能の成せる業なのだ。

さらに嗅覚中枢の近くに扁桃体という情動や感情に関わる中枢が配置されているために、人はコーヒーの香りを嗅いだだけで寛ぎ、パンが焼ける芳ばしい匂いに幸福な心持ちにさせられるのだ。女性がアロマテラピーで癒されるのも道理なわけで、要は頭を使っていなくても、鼻はずっと利いたままなのだ。

香水に代表されるように、よい香りは人工的に作れるが、やはり少々刺激的な匂いのほうが想像力を刺激しそうだ。あなたなりの“匂いの源”を常備して、ここぞというときに嗅いでみるのも、独自の発想を生むにはいい道具立てかもしれない。

文・構成/鈴木隆祐
監修/前刀禎明

【参考図書】
『とらわれない発想法 あなたの中に眠っているアイデアが目を覚ます』
(前刀禎明・著、鈴木隆祐・監修、本体1600円+税、日本実業出版社)
http://www.njg.co.jp/book/9784534054609/

51e2cSbHlYL

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 目的の一駅前で下りてみることの意外な脳活効果とは【大人の発想術 …
  2. 神と悪魔が交錯する岐路!スクランブル交叉点で五感を研ぎ澄ます【大…
  3. カメはこう答えるべきだった!イソップ童話「ウサギとカメ」の大人な…
  4. 霊感やひらめきをきっちり捕捉!「直感千本ノック」で第六感を鍛えて…
  5. 理系出身者ほど料理にハマる!作る側に立てば料理はより深く味わえる…
PAGE TOP