問1の答え
上が橋、下が滝
上の「諸国名橋奇覧」は全11図からなる揃物で、全国の珍しい橋をモチーフにしています。同シリーズで描かれた橋の多くは実在していたものですが、一部伝説上の橋も登場していて、北斎の類まれなる想像力がいかんなく発揮されています。
下は「諸国瀧廻り」という8図からなる揃物で、どの作品も水をまるで生き物のように捉えていて迫力満点です。
問2の答え
3.ベルリン
「ベロ藍」は、プロシア(現ドイツ)のベルリンで作られた化学的な合成顔料で、「ベルリン藍」を略して「ベロ藍」と呼んでいました。それまで浮世絵版画の青絵の具は、蓼藍(たであい)やつゆ草などから作った植物性のものが使われていましたが、くすんだような青色で発色がよくなく、しばらく経つと退色もありました。
それに比べて「ベロ藍」は、発色がよく、あまり色あせもしない性質がありました。「冨嶽三十六景」の刊行以降、名所絵に欠かせない色のひとつになりました。
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ジャンル別・絵師別に作品の見どころがわかる
楽しく脳活
クイズで学ぶ浮世絵入門
監修/藤澤 紫
小学館 1650円(税込)

藤澤 紫
國學院大學文学部教授。国際浮世絵学会常任理事・公益財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団評議員。専門は日本美術史、日本近世史、比較文化論。学習院大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(哲学)。「くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展」監修、NHK–BS4K・Eテレ番組「浮世絵EDO–LIFE」の浮世絵監修も務める。著書に『鈴木春信絵本全集』(勉誠出版)、『遊べる浮世絵 体験版・江戸文化入門』( 東京書籍)、監修に『NHK 浮世絵EDO–LIFE 浮世絵で読み解く江戸の暮らし』(講談社)など。近著に『イチから知りたい 日本のすごい伝統文化 絵で見て楽しい!はじめての浮世絵』(藤澤茜と共著・すばる舎)など。










