「御三家には後継ぎがいなかった」は事実か?

次期将軍選びに奔走する意次(右/演・渡辺謙)。(C)NHK

I:劇中では、世子家基(演・奥智哉)が亡くなったあとで、新たな後継者をどうするかという議論がかわされたようです。

A:御三家筆頭の尾張家ですが、第8代将軍吉宗と争った尾張家第7代宗春の失脚後は、宗春の弟の流れが続きますが、第10代宗睦の息子(治休、治興)がいずれも20代前半で早世し、将軍家を継げるような男子はいませんでした。さばかりか、もう少し先のことになるのですが、尾張家も一橋治済(演・生田斗真)の孫斉朝が継ぐことになります。

I:これもまた怪しいですよね。一橋家による将軍家、御三家乗っ取り作戦のような気もします。

A:紀州家には、家治(演・眞島秀和)後継の候補者としては、幼年の男子(後の紀州藩主徳川治宝)がいたので、まったくいないわけではなかったのですが、その子は、吉宗の玄孫ということで候補にはならなかったのではないのですかね。

I:第7代将軍家継の後継を尾張家と紀州家で争った際に、紀州の吉宗は家康の曽孫だけれども、尾張家の継友は玄孫という血統の差があったともいわれたりします。でも尾張家第2代目の光友には第3代将軍家光の娘千代姫が嫁いで尾張家第3代目綱誠が生まれている。継友は綱誠の息子ですから、家康の玄孫であり家光の曽孫になるんですけどね。

A:仮に一連の騒動に一橋家の「陰謀」があったということであれば、「陰謀」というのは歴史上途切れることがないですね。当然、現代でも「陰謀」があると思っていた方が自然でしょう。たとえば、昨年10月の衆院選。ある政党が躍進しましたが、投票日(10月27日)の2週間後には、党首のスキャンダルが報じられました。脇が甘いといわれればそれまでですが、この絶妙なタイミングは、あらかじめストックされていたものをタイミングよく供出するという「陰謀」だったのかもしれませんよ。

I:権力闘争って恐ろしいですね。

誰袖(たがそで)花魁登場。次ページに続きます

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