『八代将軍吉宗』には5人の将軍が登場
I:さて、第3代将軍家光ですが、『春日局』で江口洋介さん、『葵 徳川三代』では尾上辰之助(現4代目尾上松緑)さんが演じているのですが、幼児時代を本木雅弘さんの息子である内田雅楽さん、少年時代を山田孝之さんらが演じています。
A:歴代将軍の中でいささか影の薄い第4代家綱は2作品に登場しています。1970年の『樅ノ木は残った』では田村亮さんが演じています。『元禄繚乱』で演じた堀内正美さんは1982年の『峠の群像』では第6代将軍家宣で登場しています。
I:第5代将軍綱吉は、忠臣蔵を扱った大河度ドラマには欠かせない将軍です。『峠の群像』で竹脇無我さん、『八代将軍吉宗』で津川雅彦さん。『元禄繚乱』では萩原健一さんなどが演じています。
A:第6代将軍家宣は、『元禄太平記』で木村功さん、『八代将軍吉宗』で細川俊之さんが演じています。この細川俊之さんの家宣は印象深かったですね。そして、家宣の急死で第7代将軍になったのが4歳の家継。『八代将軍吉宗』では「四歳の将軍」というタイトルの回がもうけられました。演じたのは中村梅枝さん。いまの6代目中村時蔵さんですね。
I:『べらぼう』で長谷川平蔵を演じている中村隼人さんの従兄弟なんですよね。もう30年前になるんですね。
A:将軍家継の登場回はレア回でしょうね。間部詮房役の石坂浩二さんも将軍家継の側用人として登場します。
I:そして、秀忠~家光から連なる将軍家が家継の死によって断絶します。
A:正確にいえば、家宣の弟の清武が生存だったのですが、すでに他家に養子に出ていたために御三家に将軍職が移ることになります。ちなみに、この松平清武の「家」の三代目が『べらぼう』で石坂浩二さんが演じている松平武元になります。
I:そういう流れで、第8代将軍吉宗は大河ドラマ初登場にして主役の座を射止めての登場でした。1995年当時、吉宗といえば、松平健さん演じる『暴れん坊将軍』のイメージが強く、西田敏行さん演じる吉宗大丈夫? とも思われたのですが、杞憂に終わりました。ジェームス三木さんの好脚本もあって、絶大な人気を博したんですよね。
A:そうです。第9代将軍家重も『八代将軍吉宗』が初登場だったのですが、中村梅雀さんの熱演が話題になりました。本作の将軍家重は、まさに大河史に刻まれるキャラクターになったのです。
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