家斉の登場回はいつになるのか?
I:さて、そんなわけで、第11代将軍家斉の登場で大河ドラマ64年の歴史の中で、徳川将軍が勢揃いする瞬間を迎えるわけです。
A:なんだか感慨深いですね。歴史の積み重ねですね(しみじみ)。私はこれを壮挙だと感じているのですが、特番とかやらないんですかね。
I:そういうと思って問い合わせをしてみました。いまのところ特番の予定はないそうです。
A:えー。そうなんですか! まあ、主人公は蔦重(演・横浜流星)ですからしょうがないですかね。
I:まあまあ、当欄だけでも「大河ドラマ徳川将軍コンプリート回」を盛り上げていきましょうよ。
A:(気を取り直して)15代勢揃いのついでに言及すると、2021年の『青天を衝け』には、「十六代様」と呼称された徳川家達公(演・三谷昌登)も登場しているのです。なんだかやっぱり「徳川」って凄い!
I:さて、江戸幕府の将軍がコンプリートしたわけですが、鎌倉幕府、室町幕府将軍の大河ドラマ登場状況は、どうなのでしょうか。
A:え、そこを突っ込んできますか(笑)……? 鎌倉幕府は、源頼朝、頼家、実朝と源氏の将軍が三代続いたあとに、摂家から藤原頼経、藤原頼嗣と続き、宗尊親王、惟康親王、久明親王、守邦親王と宮将軍に移行します。実はこのうち大河ドラマに登場していないのは第8代将軍の久明親王だけなのです。
I:久明親王だけ!
A:いや、台詞のない登場の将軍も多いですけどね。そして、室町幕府は、尊氏、義詮、義満、義持、義量、義勝、義政、義尚、義稙、義澄、義晴、義輝、義栄、義昭と15人の将軍がいますが、第3代義満、第4代義持、第5代義量、第12代義晴の4名が大河に未登場です。
I:義満が未登場って意外です。鎌倉、室町幕府の将軍コンプリートへの道は遠そうですね。

●編集者A:書籍編集者。『べらぼう』をより楽しく視聴するためにドラマの内容から時代背景などまで網羅した『初めての大河ドラマ~べらぼう~蔦重栄華乃夢噺 歴史おもしろBOOK』などを編集。同書には、『娼妃地理記』、「辞闘戦新根(ことばたたかいあたらいいのね)」も掲載。「とんだ茶釜」「大木の切り口太いの根」「鯛の味噌吸」のキャラクターも掲載。
●ライターI:文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。猫が好きで、猫の浮世絵や猫神様のお札などを集めている。江戸時代創業の老舗和菓子屋などを巡り歩く。
構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり
