世界4大文明(メソポタミア・インダス・エジプト・黄河)の発展と共に文字が生まれましたが、現在でも使用されているのは黄河文明で生まれた漢字のみです。

日常的に使用していますが、読めそうで読めなかったり、もはや読み方の想像すらできないものまで存在します。近年ではパソコンやスマホの変換機能に頼って、ますます漢字が「読めない」「書けない」人が増えています。

『サライ.jp』でも人気のコンテンツ「脳トレ漢字」のおさらい企画として、毎月5本をセレクトして、ご紹介します。隙間時間にチェックして、記憶力を鍛えながら漢字の奥深さを楽しんでください。

■1:その姿が漢字の由来。春の芽吹きを感じる植物です

春になると地面から芽吹く「つくし」のことです。

漢字の由来は、野に生えているその姿が、“土”に刺さった“筆”のように見えることから。また、その語源も地面から突き出ていることから「突く突くし(つくづくし)」と呼ばれていたものを略したものと考えられています。いずれにしても、その特徴的な姿を表現したものですね。

「土筆」の正しい読み方は?「つちふで」ではなく…

■2:鳥という漢字を使いながら、実は海の生き物です

鳥という漢字を使っていますが、正解は「いか」です。

海生生物である「いか」が、「カラス(烏)のぞく(賊)」と書かれる理由は、イカが死んだふりをして水面に漂い、これを捕ろうと舞い降りてきたカラスを逆に捕まえて食べた、という中国の伝説から。また、イカが吐き出す墨の色の黒を、烏の羽の色の黒に見立てて「烏」の文字を当てはめているという説もあります。

ちなみに、イカは泳いでいる時や生きている時は「1匹」、水揚げされて商品になったら「1杯」、干されて干物となり、するめになったら「1枚」、活け造りされて皿に盛られたときには「1盛」と、数え方が変わるのも興味深いですね。

「烏賊」、正しく読みますか?「とりぞく」ではありません

■3:幸運を呼ぶ虫として各国に逸話あり

答えは「テントウムシ」です。

「瓢」は「ひょうたん」を意味する漢字で、テントウムシの形がひょうたんに似ていることに由来していると考えられています。また、葉や枝に止まると、その先まで上がっていって、もう行き場がなくなると太陽に向かって飛び立つ習性があるため「天道虫」と書くこともあります。

ラッキーモチーフとしても知られ、「テントウムシが体にとまると幸せがやってくる」「テントウムシが体にとまると病気が治る」「聖母マリアの化身」など、世界各国に逸話があります。太陽に向かっていく姿が幸運を呼ぶイメージなのでしょう。

「瓢虫」は何と読む?「ひょうちゅう」ではなく…

■4:「○○の権化」といった使い方が一般的

正解は「ごんげ」です。

元々の意味は「仏・菩薩が人々を救済するために、この世に仮の姿となって現れること」で、それが転じて「ある概念が現れたように見える人・物」といった意味になりました。

仏や菩薩がそのままの姿で現れるのではなく、不思議な人物や動物など「権(かりそめ)」の姿に「化」けて力を及ぼす…… そんな考え方から「権化」という言葉が生まれたそう。由来を知ると、「美の権化」や「悪の権化」などの言い回しも納得ですね。

「権化」の読み方は?「けんか」ではありません

■5:健康のために食べている人も多いのでは?

健康食品として知られる「もずく」のことです。

もずくが大きな塊となり、海の中でゆらゆらと揺れる様子を、空に浮かぶ雲になぞらえて「水雲」という字が当てられたそう。名前の由来は諸説ありますが、「もつく(藻付)」に由来しているという考え方が一般的です。天然のもずくは、他の海藻(も)に付着して生息することから「藻付く(もずく)」と呼ばれるようになった、と考えられています。

なお、「海雲」とも「海蘊」と書くこともあります。

「水雲」と書いて何と読む?「みずくも」ではありません

*  *  *

すべて読むことはできましたか? 読めても、意味までは知らないことも多いと思います。じっくりと漢字と向き合うことで、その奥深さに感心し、知的好奇心も刺激されるはず。ぜひ、毎月の習慣として「脳トレ漢字おさらい編」を取り入れてください。

文/編集部

 

関連記事

ランキング

サライ最新号
2025年
5月号

サライ最新号

人気のキーワード

新着記事

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

サライ公式SNSで最新情報を配信中!

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

小学館百貨店Online Store

通販別冊
通販別冊

心に響き長く愛せるモノだけを厳選した通販メディア

花人日和(かじんびより)

和田秀樹 最新刊

75歳からの生き方ノート

おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店