宮仕えと結婚

長暦3年(1039)、32歳のときに後朱雀天皇の皇女・祐子内親王(ゆうしないしんのう)のもとに出仕します。しかし、宮廷生活になじむことができず、断続的な出仕にとどまりました。

翌年、33歳で橘俊通(たちばなのとしみち)と結婚し、一男一女(男子の名は仲俊)をもうけます。夫の俊通が下野国(現在の栃木県)に赴任した際、彼女は同行せず、再び宮仕えを始めました。

信仰への目覚めと文学活動

結婚生活を送りながらも、彼女は次第に現実に目覚め、家庭の安寧を願って頻繁に社寺への参詣を行いました。

また、源資通(みなもとのすけみち)との交流もあり、文学的な活動を続けたそうです。彼女は『更級日記』を通じて、自身の人生や内面の葛藤を繊細に描き出しました。『更級日記』は、13歳から51歳までの人生の推移を回想した日記で、夢と信仰との相克が語られています。

晩年と孤独

康平元年(1058)、51歳のときに夫・俊通と死別します。その後、子供たちとも離れ、孤独な晩年を過ごしたとか。彼女の最期の年月については詳しい記録が残っておらず、その後の消息は不明です。

まとめ

菅原孝標女は、自身の人生を綴った『更級日記』を通じて、平安時代の女性の心情や社会背景を鮮やかに伝えています。物語への憧れと現実との間で揺れ動く心、信仰への傾倒、そして孤独な晩年など、彼女の生涯は一人の女性の内面的な成長と葛藤を映し出しているかのようです。

また、『夜の寝覚(ねざめ)』や『浜松中納言物語』などの物語も彼女の作と伝えられています。その文学的才能は後世に大きな影響を与えました。

※表記の年代と出来事には、諸説あります。

文/菅原喜子(京都メディアライン)
肖像画/もぱ(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com FB

引用・参考図書/
『日本大百科全書』(小学館)
『世界大百科事典』(平凡社)
『国史大事典』(吉川弘文館)

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