2024年は、東海道五十三次の最後の宿場・庄野宿の完成から400年、また箱根駅伝第100回という節目の年にあたります。

これを記念し、東海道第十の宿場であり、最大の難所として知られた箱根に位置する岡田美術館で「「東海道五十三次」で旅気分 ―富士に琳派に若冲も―」展が開かれています。(6月9日~12月8日) 

歌川広重「東海道五十三次 箱根 湖水図」 江戸時代 天保4~5年(1833~34)
岡田美術館蔵 ※前期展示

本展の見どころを、岡田美術館の学芸員、稲墻明子さんにうかがいました。

「この作品が今なお高い評価を得ているのは、四季折々の美しい景色はもちろん、各地の名所や名物の情報を盛り込み、登場人物を生き生きと描くことで、旅への憧れをかき立てる点にあります。

歌川広重「東海道五十三次 京師 三條大橋」江戸時代  天保4~5年(1833~34)
岡田美術館蔵 ※後期展示

本展では、「東海道五十三次」とあわせて、富士山を描いた絵画の名品や、京都の人気絵師・伊藤若冲と円山応挙、広重と同時代を生きた江戸琳派の鈴木其一らの作品約30件も公開。「東海道五十三次」のガイドブックとしての性格にも注目しながら、絶大な支持を集めた理由を探ります。

伊藤若冲「雪中雄鶏図」(部分)
江戸時代中期  18世紀後半 岡田美術館蔵

東海道の旅を夢見た江戸の人々は、絵を眺めて空想をめぐらせ、家に居ながら旅気分を味わったのでしょう。ご来館いただいた皆様にもまた、展示室で江戸から京都までの旅気分を味わっていただきたいと思います。

横山大観「霊峰一文字」(部分)大正15年(1926)岡田美術館蔵

本展のほかにも、特集展示として、平安中期に成立して人気を博した紫式部『源氏物語』にゆかりのある絵画・工芸作品10数件により、優美な「源氏物語の世界」をお楽しみいただきます」

狩野邦信「源氏物語図屏風」(部分) 江戸時代後期 19世紀前半
 岡田美術館蔵 ※前期・後期に分けて一隻ずつ展示

箱根で「東海道五十三次」を鑑賞しながら旅気分にひたる! ぜひ会場でご体感ください。

【開催要項】
「東海道五十三次」で旅気分 ―富士に琳派に若冲も―
会期:前期2024年6月9日(日)~9月12日(木)・後期9月13日(金)~12月8日(日)
※「東海道五十三次」全55枚は前期・後期に分けて展示します。
会場:岡田美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
公式サイト:https://www.okada-museum.com/
開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:会期中無休
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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