公益財団法人戸栗美術館は、創設者の戸栗亨が長年にわたり蒐集した陶磁器を中心とする美術品を永久的に保存し、広く公開することを目的として1987年に開館。戸栗が特にその質の高さを評価したのが肥前磁器で、美術館が鍋島家屋敷跡にあたる渋谷区松濤に建てられたことからも、そのこだわりがうかがえます。

戸栗美術館の「花鳥風月 ―古伊万里の文様―」展は、佐賀・有田を中心として作られた伊万里焼の選りすぐりの名品が並ぶ展覧会です。(2024年1月7日~3月21日)

「色絵 鴛鴦文 捻花皿」伊万里(古九谷様式)
江戸時代(17世紀中期)口径29.0cm 戸栗美術館蔵

本展の見どころを、戸栗美術館の学芸員、小西麻美さんにうかがいました。

「花鳥風月とは、自然の美しい風物、あるいは風雅な趣を楽しむ風流な行いを意味します。日本初の国産磁器として江戸時代のはじめに誕生した伊万里焼では、最初期から花鳥あるいは山水といった自然の風物を文様装飾のモチーフに採用してきました。当時日本にもたらされていた中国の磁器や画譜などの影響に加え、国内の絵画や服飾といった流行を反映した様々な要素を垣間見ることができます。

「染付 双鷺文 皿」 伊万里
江戸時代(17世紀前期)口径21.0cm 戸栗美術館蔵

初出展の「染付 双鷺文 皿」は、月下に双鷺が仄々と浮かび上がる抒情的な作品。鷺は中国では吉祥の意味をもつ渉禽であるほか、伊万里焼の産地である佐賀県では身近な鳥として親しまれてきました。伊万里焼にあらわされる文様のなかでも初期から幕末まで繰り返し登場するモチーフです。

「色絵 花卉文 鉢」 伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀初) 口径22.6cm 戸栗美術館蔵
「染付 山水文 水指」 伊万里
江戸時代(17世紀初期) 高15.7cm 戸栗美術館蔵

今展では2つの展示室をそれぞれ「花鳥の間」、「風月の間」として、四季折々の花鳥文、風情溢れる山水文のうつわを約80点ご紹介し、伊万里焼の文様として描かれたモチーフを紐解いていきます」

辰年にちなんだ同時開催の「干支セレクション 龍」も見逃せません。会場で併せてご鑑賞ください。

「色絵 赤玉雲龍文 鉢」 伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀初) 高25.8cm 戸栗美術館蔵

【開催要項】
花鳥風月 ―古伊万里の文様―
会期:2024年1月7日(日)~3月21日(木)
会場:戸栗美術館
住所:東京都渋谷区松濤1-11-3
電話:03・3465・0070
公式サイト:http://www.toguri-museum.or.jp/
開館時間:10時~17時、金・土曜日は~20時(入館は各閉館30分前まで)
休館日:月・火曜日(ただし1月8日、2月12日は開館)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 


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