天智天皇-高市皇子を祖にする高階家
A:ところで、道隆の正室高階貴子ですが、劇中ではあまり描かれませんが、まひろ同様、漢詩にも通じた文化人で、恋の歌の名手と言われていたそうです。もともと高階氏は、天武天皇(第40代)皇子の高市皇子までさかのぼる皇別氏族の名家。貴子の父成忠は文章生から立身し、弁官や国司を歴任しました。貴子と道隆の縁組の影響もありましたし、東宮博士として仕えていた懐仁親王が即位(一条天皇)したこともあり、高階氏から初めて公卿に列するという栄誉を得ました 。そういうことを考えると貴子も苦労人ですし、まひろも父為時(演・岸谷五朗)が何らかの官職についていたら、「北の方」の立場も夢ではなかったかと思うと切ないですね。
I:そうした中で、ききょう(清少納言/演・ファーストサマーウイカ)が定子付きの女房を務めることになりました。「今よりそなたを清少納言と呼ぼう」と定子が清少納言の名付け親という設定になりました。清原の「清」に官職名の「少納言」。ああ、実際にこんな感じだったのかなという場面でした。
A:先ほど皇別氏族の話をしたので補足しますが、ききょうの実家の清原家も天武天皇(第40代)の皇子舎人(とねり)親王から発した皇別氏族になります。
I:母の貴子が「華やかな後宮を作って参りましょう」と「定子サロン」の充実を図ろうとしているのですよね。そこに抜擢されたのがききょう。どのような基準で人選がされたのか興味深いですね。そして私が印象に残ったのは、ききょうがわざわざ報告するためにまひろを訪ねていたことです。
A:後にまひろも、一条天皇に入内する道長(演・柄本佑)の娘彰子(子役/演・小井圡菫玲)のもとで同じようなサロンに参画することになるわけですから、なんだか面白い展開ですよね。
【父の喪にも服さぬ道兼。次ページに続きます】