不動産市場で注目の武蔵小杉駅と浦和駅が人気の理由
2010年代以降、分譲マンションなどの不動産市場では武蔵小杉駅(川崎市中原区)と浦和駅(さいたま市浦和区)が注目されています(図3、4)。
武蔵小杉は2010年に横須賀線、湘南新宿ラインの駅ができて、都心への所要時間が10分以上短縮。浦和駅にも2012年に湘南新宿ラインが停まるようになりました。地図を見ると、どちらの駅も東京、新宿まで30分台で行けますし、都内の主要なオフィス街が40~50分圏内に収まります。生活面でも駅前の商業施設でだいたいのものがそろいますし、横浜や川崎、大宮、さいたま新都心などにも気軽に行けますから、人気が出るのもうなずけます。
大阪や名古屋の様子も見てみましょう(図5、6)。
近畿圏ではJRと私鉄が並行しているところが多く、スピードや運転本数などのサービスレベルを上げることで競争力を高めてきました。大阪駅までの所要時間は三ノ宮駅(約31km)33分、京都駅(約43km)41分。首都圏の快速列車と比べると、距離あたりの移動時間が10~20%短くなっています。
中京圏でも名鉄とJRが高速運転を行っています。岐阜駅(約30km)と名古屋市営地下鉄・藤が丘駅(約14km)で所要時間がほぼ同じです。
参考(1): 国土交通省『第13回大都市交通センサス』(2021年)(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/sosei_transport_tk_000007.html)
参考(2): 図1~6の背景に国土地理院『地理院地図Vector(仮称)提供実験』のデータを使用
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にゃんこそば
東京都生まれ、神奈川県育ち。データ可視化職人。民間企業でクラウドサービスの企画、開発やビッグデータ利活用に従事するかたわら、個人活動としてオープンデータや公的統計の可視化、地図アプリの作成に注力し、日本や世界の「今」が一目でわかる作品を多数公開している。主な活動歴は国土交通省『3D都市モデルの整備・活用促進に関する検討分科会』など。X(旧Twitter)のアカウント名は「にゃんこそば@ShinagawaJP」(約6.6万人フォロワー)。TV、新聞、ネットメディアでの取材歴多数。