藤原彰子と紫式部
藤原定子が清少納言と一緒に語られるように、藤原彰子も紫式部とともに語られることが多いです。彰子に仕えた紫式部は、自身の日記である『紫式部日記』の中で、「美しい黒髪を持つ奥ゆかしい美人」と、彰子を褒め称えています。
彰子は、定子と同じく文芸サロンを作り上げ、紫式部を始め、赤染衛門(あかぞめえもん)や和泉(いずみ)式部、伊勢大輔(いせのたいふ)などの才媛が集ったそうです。また、清少納言がそうであったように、紫式部も彰子に忠誠を尽くし、彼女に仕えながら、代表作『源氏物語』を完成させます。
『源氏物語』は、またたく間に宮廷で話題となり、女流文学は最盛期を迎えることとなったのです。
まとめ
道長の野望に振り回されながらも、一族繁栄に大きく貢献した藤原彰子。ライバル関係である中関白家への援助も欠かさなかったとされ、誠実で思いやりのある彼女の人柄を垣間見ることができます。紫式部は、そんな彼女の性格も含め、高く評価していたのかもしれません。
※表記の年代と出来事には、諸説あります。
文/とよだまほ(京都メディアライン)
肖像画/もぱ(京都メディアライン)
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引用・参考図書/
『日本大百科全書』(小学館)
『日本人名大辞典』(講談社)
『山川日本史小辞典』(山川出版社)