はじめに-藤原彰子とはどんな人物だったのか?

藤原彰子(ふじわらのしょうし/あきこ)は、藤原道長の長女です。関白を務めていた道隆の死後、彼の家系である中関白家は衰退し、代わって弟の道長の家系が台頭することとなりました。そして、自身の立場を不動のものにしたいと望んだ道長は、娘の彰子を一条天皇の中宮につけたのです。

この時、すでに道隆の娘・定子が一条天皇の中宮になっていたため、同時に二人の正妻ができるという異例の事態となりました。その後、一条天皇との間に皇子を授かった彰子。皇子が次々に即位したことで、道長の望み通り、彼の家系は栄華を極めることとなったのです。

定子と同じく、優秀な女房(宮廷に仕えた女官)たちが集う文芸サロンを作り上げた彰子。教養深い才女というイメージがありますが、実際の藤原彰子はどのような人物だったのでしょうか? 史実をベースにしながら、紐解いていきましょう。

2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』では、幼くして一条天皇の后となり、定子と競う立場に置かれた道長の長女(演:見上愛)として描かれます。

藤原彰子

目次
はじめに―藤原彰子とはどんな人物だったのか?
藤原彰子が生きた時代
藤原彰子の足跡と主な出来事
まとめ

藤原彰子が生きた時代

藤原彰子は、永延2年(988)に生まれます。彰子が生まれた頃、父・道長は氏長者(一族の最高権力者)の座を虎視眈々と狙っていました。そんな道長に転機が訪れたのは、長徳元年(995)、栄華を極めた兄・道隆が病没した時です。

これ以降、中関白家の雲行きは怪しくなり、チャンスと見た道長は、まだ幼い娘・彰子を強引に入内させることに。こうして彰子は、幼くして父・道長の野望に巻き込まれることとなったのです。

藤原彰子の足跡と主な出来事。次ページに続きます

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