紫式部の生涯を描く今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の放送が2024年1月より開始され、紫式部や『源氏物語』に関心が高まっています。今から千年以上前の宮廷貴族たちがどのような暮らしをし、どのような文化を築いていたのか、興味深いところです。
嵯峨嵐山文華館の「よきかな源氏物語」展は、紫式部ゆかりの地で開催される、まさにタイムリーな展覧会です。(1月18日~4月7日)
本展の見どころを、嵯峨嵐山文華館学芸員の阿部亜紀さんにうかがいました。
「平安時代中期に成立した世界最古の長編小説『源⽒物語』。その作者である紫式部は、学者である藤原為時の末娘として⽣まれました。幼少期から天才肌で、当時の女性としては異例であった学問に励み、儒教、歴史、漢詩など、さまざまな分野の書物を読破します。
やがてシングルマザーとなり、時の権力者であった藤原道長の娘・彰子の元に召し抱えられた紫式部。道長の後ろ盾を得て、宮仕えをしつつ54帖からなる長編小説を書き上げました。
本展では千年の時を超え、今もなお愛され続ける『源⽒物語』を題材にした⽇本画を、各場⾯の解説や、個性あふれる登場⼈物たちの⼈物相関図とともにご紹介いたします。
また当館の立地する場所周辺は、物語の主人公・光源⽒の側室、明⽯の⽅が居住したとされ、徒歩圏内には伊勢に下って行く歳上の恋人・六条御息所と離別した「野宮神社」、光源⽒が建てた御堂の北側にあったという「⼤覚寺」などもあります。
源氏物語ゆかりの土地で物語の世界に浸ってみてはいかがでしょうか」
新春を飾るにふさわしい展覧会です。ぜひ会場で平安貴族の雅な宮廷文化をご堪能ください。
【開催要項】
よきかな源氏物語
会期:前期1月18日(木)~3月4日(月)
後期3月6日(水)~4月7日(日)
会場:嵯峨嵐山文華館
住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11
電話:075・882・1111
公式サイト:https://www.samac.jp/
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
※2月17日(土)は~15時(入館は14時30分まで)
休館日:2月18日(日)、3月5日(火)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
取材・文/池田充枝