暮らしを豊かに、私らしく

2022年1月、2年8か月ぶりにリニューアルオープンした松岡美術館。

創設者の松岡清次郎(1894~1989)は、会社経営と並行して美術品蒐集と義太夫に力を入れました。そのコレクションのなかでも、自身が理想とするヴィーナスの追求に余念がなかった清次郎が集めた美人像は、古代オリエントの彫像から上村松園の美人画、ローランサンの女性像まで多岐にわたります。

この春、松岡コレクションの「美しい人」が一堂に会す展覧会が『企画展 美しい人びと 松園からローランサンまで』です(2月21日から6月4日まで)。

蹄斎北馬《三都美人図》 江戸時代 松岡美術館蔵 後期展示

本展の見どころを、松岡美術館の広報ご担当、松岡真理さんにうかがいました。

「本展では、上村松園の格調高い美人画をはじめ、鏑木清方、下村観山、伊東深水、さらにフランスのローランサン、モーリス・ドニらの女性像や男性像など、年齢や性別にとらわれない美しい人びとを描いた作品を展示いたします。

マリー・ローランサン《若い女》 1937年 松岡美術館蔵 通期展示
モーリス・ドニ《赤い寝椅子に横たわる裸婦》 1898年頃 松岡美術館蔵 通期展示

松園の≪春宵≫は名作《序の舞》(重要文化財)と同じ昭和11年の制作で、美人画家・松園の全盛期に描かれた優品です。白粉で綺麗にお化粧をした芸妓と貝髷(ばいまげ)(巻貝に似た形の髷)を結った年長の女性二人は、表情や仕草、化粧法や着衣、結髪などそれぞれに美しく描き分けられ、松園の徹底した美意識と的確な描写力とを存分に味わえます。長期休館からの再開後、初公開となります。

上村松園《春宵》 1936(昭和11)年 松岡美術館蔵 前期展示

また、同時開催では、多民族が行き交い育ったペルシア美術の優品の中から古代ガラスと陶器約50点を、16年ぶりに一挙公開いたします。

通年企画では、所蔵品の中で最も古いトルコの≪横たわる女人像≫(紀元前5600年頃)をはじめイラク、ギリシアなどの古代オリエントの彫刻を展観。連綿と受け継がれてきた創造の原型をご覧いただき、古代人が思い描いた理想や、現代にも通ずる人類不変の感覚に思いを馳せていただければ幸いです」

ラスター彩人物文花口瓶 イラン 13世紀 松岡美術館蔵 通期展示

その美しさに心華やぐ作品の数々。会場で優雅な時間をお過ごしください。

【開催要項】
企画展 美しい人びと 松園からローランサンまで
会期:2023年2月21日(火)~6月4日(日)
   前期2月21日~4月16日 後期4月18日~6月4日
会場:松岡美術館
住所:東京都港区白金台5-12-6
電話:03・5449・0251
公式サイト:https://www.matsuoka-museum.jp
開館時間:10時から17時まで(入館は16時30分まで)、毎月第1金曜日は19時まで(入館は18時30分まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日休館)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

関連記事

花人日和 Online Store

花人日和
花人日和の通販

暮らしが華やぐアイテム満載

ランキング

人気のキーワード

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

公式SNSで最新情報を配信中!

  • Instagram
  • LINE
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店