正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいている」ということがあるかもしれませんね。

Google 先生やデジタルデバイスの出現により、便利になった反面、情報の中身については十分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識”は確かでしょうか? もう一度、確認しておいても良いかもしれません。

「脳トレ漢字」第180回は、「点袋」をご紹介します。お正月によく見かけるものですが、漢字にされると意外と読むのが難しいかもしれません。実際に読み書きなどをしていただき、漢字への造詣を深めてみてください。

「点袋」とは何とよむ?

「点袋」の読み方をご存知でしょうか? 「てんぶくろ」ではなく……

正解は……
「ぽちぶくろ」です。

『小学館デジタル大辞泉』では、「心づけ・お年玉などを入れる小さな紙袋。祝儀袋。」と説明されています。お年玉やお小遣いを入れる袋として、馴染み深い点袋。子どもに渡すものというイメージがありますが、元々は芸者に与える祝儀を入れるために使われていたと考えられています。

現金を包むために使われていた半紙が袋状になり、現在広く知られている点袋になったそうです。

「点袋」の漢字の由来は?

点袋の語源については諸説あり、一説では関西発祥の言葉であると言われています。関西弁で「ちょっと」「少しだけ」という意味を表す「ぽちっと」に由来し、お金をぽちっと入れる袋ということから「点袋」になったという説です。

「点」は、「ぽち」の当て字であると考えられています。

お年玉の起源

新年を祝って、大人から子どもに贈られる「お年玉」。お正月の風物詩になっているお年玉ですが、元々は金品ではなく餅だったと言われています。日本では古来より、お正月は豊作の守り神である歳神を迎える期間であると考えられていました。

お年玉の語源は「御歳魂」で、歳神の生命が宿る鏡餅を家長が家族や使用人に分け与えて、その一年がより良い年になるように祈ったことに由来するそうです。江戸時代頃には、その人の職業に合った品物をお年玉として贈る風習も見られたとされます。

お年玉が物からお金へと変わったのは、昭和30年代の高度経済成長期の頃です。この頃になると、都市部の人口が増加し、家族形態も徐々に変わり始めました。以前のように、家族みんなで分ける大きな鏡餅を供える家庭が減少したということもあり、お年玉としてお金を渡すようになったそうです。

大人から子どもに渡すスタイルが定着した背景には、家長から家族・使用人へなど、目上の人から目下の人に渡すものという名残りがあるのではないかと考えられます。

***

いかがでしたか? 今回の「点袋」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 早いもので、もうすぐ年が明けますね。今年にやり残したことはございませんか? 風邪やインフルエンザ等が流行しておりますが、どうぞ健やかで楽しいお正月をお過ごしください。

文/とよだまほ(京都メディアライン)
HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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