世界屈指の近現代美術コレクションを誇るパリのポンピドゥーセンターは、フランスの元大統領、ポンピドゥーによって構想され、1977年に開館しました。パリの中心部にある同センターは、中核を占める国立近代美術館を含む複合文化施設です。2人の著名な建築家、リチャード・ロジャースとレンゾ・ピアノによって設計された同センターは、パイプやチューブ型のエスカレーターがむき出しになったユニークな外観でも知られます。
国立西洋美術館の「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」は、同センターと国立西洋美術館の共同企画で貴重な作品が多数出展する展覧会です。(10月3日~2024年1月28日)
本展の見どころを、国立西洋美術館の担当研究員にうかがいました。
「20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックという2人の芸術家によって生み出されたキュビスムは、西洋美術の歴史にかつてないほど大きな変革をもたらしました。本展は、ポール・セザンヌやアンリ・ルソーの絵画、アフリカの彫刻など、キュビスムの多様な源泉を探る『キュビスムの起源』から始まり、キュビスムがその後どう展開していったかを紹介します。
目を引くのは、初来日となるロベール・ドローネーの《パリ市》で、幅4メートルにもおよぶ大作は、ポンピドゥーセンターを象徴する作品の一つです。
同じく初来日のフェルナン・レジェ《婚礼》、アメデオ・モディリアーニ《女性の頭部》など50点以上の初来日作品を含む約140点を展示。日本では50年ぶりとなるキュビスムの大型展覧会です。
ポンピドゥーセンターと国立西洋美術館という、日仏を代表する国立美術館の共同企画によって実現した本展で、キュビスムの全貌を明らかにします」
ピカソ、ブラックからル・コルビュジエまで圧巻の作品群が並ぶ会場へ、ぜひお運びください。
【開催要項】パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展 美の革命―ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ
会期:2023年10月3日(火)~2024年1月28日(日)
会場:国立西洋美術館
住所:東京都台東区上野公園7-7
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト:https://cubisme.exhn.jp
開館時間:9時30分~17時30分、金・土曜日は~20時(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(ただし10月9日、1月8日は開館)、10月10日(火)、12月28日(木)~2024年1月1日(月・祝)、1月9日(火)
料金:公式サイト
参照アクセス:公式サイト参照
巡回:京都市京セラ美術館(2024年3月20日~7月7日)
取材・文/池田充枝