プレーヤーとアンプ内蔵型スピーカーをブルートゥースで簡単に接続
【アクティブスピーカー】エアパルスA80 実勢価格9万5000円前後(上)
デジタルアンプ内蔵。ツイーター:ホーンロード・リボン、ウーハー:11.5㎝アルミニウム・コーン。出力:ウーハー40W×2、ツイーター10W×2。幅140×高さ255×奥行き240mm、4.8kg(アクティブスピーカー)、4.1㎏(パッシブスピーカー)。
問い合わせ:ユキム 電話:03・5743・6202
【プレーヤー】ティアック TN-400BT-X 実勢価格7万1280円(下)
ベルトドライブ方式。DCモーター。33回転1/3、45回転、78回転。ワウ・フラッター0.2%以下。S/N比67%。VM型カートリッジ。ブルートゥーストランスミッター、フォノイコライザー内蔵。幅420×高さ117×奥行き356mm、4.9kg。
問い合わせ:ティアックAVお客様相談室 電話:042・356・9235
「アナログ音源のレコードには、想像以上に音の可能性が秘められています。それを最大限に引き出すのがオーディオの役目。近年は各メーカーも再びアナログに力を入れていて、最新の優秀な機器を使えばこれがレコードか、と驚くほどいい音で音楽が楽しめます」
そういうのはオーディオ評論家の麻倉怜士さんだ。内外のオーディオに詳しい麻倉さんに、再入門に向く組み合わせを価格帯別に「プラン1」〜「プラン3」として組んでもらった。
結線不要で置き場所は自由
「プラン1は、もっともシンプルな組み合わせです。プレーヤーとアクティブスピーカーの2点のみ。アクティブスピーカーはアンプが内蔵されているためアンプを買う必要はなく、プレーヤーとスピーカーは無線のブルートゥースで接続されるので、結線の必要もありません」(麻倉さん、以下同)
プレーヤーは日本のティアック、スピーカーは新進のエアパルスから選んだ。ブルートゥースで接続できるため設置の自由度が広がり、小型のスピーカーゆえ書斎の机やテレビの脇に置くこともできる。
「ティアックはテープデッキなどで定評のあったメーカーですので、回転系の機器に強い。レコードを安定して回す独自のノウハウを持っています。内外を問わず、アナログプレーヤーにもっとも力を入れているメーカーのひとつです」
プレーヤー
スピーカーのエアパルスは、2004年に英国で設立された若いブランドだ。
「エアパルスは、英国人エンジニアのフィル・ジョーンズがサウンド設計をしたブランドで、近年ぐんぐん評価を上げてきています。A80はコンパクトですが、鳴りっぷりは素晴らしい。レコードの持つ躍動感を歯切れよく再生してくれます」
レコードの音をブルートゥースで伝送することで、アナログらしさは失われないのであろうか。
「デジタル伝送路に通っているのは、レコードに刻まれていたアナログ信号です。アナログの音はデジタルならではの忠実さでスピーカーに届き、実直な音を響かせてくれます」
アクティブスピーカー
【監修】麻倉怜士さん(オーディオ評論家・72歳)
日本経済新聞社、プレジデント社を経て、評論家として独立。津田塾大学講師(音楽理論)などを務めた。レコードレーベルの「ウルトラアートレコード」主宰者のひとり。
取材・文/宇野正樹 撮影/植野製作所 スタイリング/有馬ヨシノ
※この記事は『サライ』本誌2023年6月号より転載しました。