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細川家は初代、幽斎の頃より武家でありながら文化や芸術を重んじてきた家系として知られています。

茶の湯の嗜みもそのひとつで、二代三斎作の花入から当代護煕作の志野茶碗まで、当主が自ら作った茶道具や、千利休愛用の唐物茶入や花入など、細川家の美意識がうかがわれる優品が所蔵されています。

重要美術品「唐物尻膨茶入 利休尻ふくら」
南宋~元時代(13~14世紀)
永青文庫蔵

「細川家の茶道具 ―千利休と細川三斎―」展は、細川家伝来の茶道具が一堂に会す展覧会です。(5月20日~7月17日)

本展の見どころを、永青文庫の学芸員、舟串 彩さんにうかがいました。

「わび茶の大成者・千利休(1522~1591)と細川家の関わりは深く、初代藤孝(幽斎、1534~1610 )より交流があり、2 代忠興(三斎、1563~1645)は高弟・利休七哲の一人に数えられます。三斎は利休の茶風を忠実に受け継いだといわれ、細川家には、利休ゆかりの茶道具をはじめ、利休の作風を踏襲した三斎の茶杓や花入、三斎が所持していた茶道具の数々が伝来しました。

「瓢花入 銘 顔回」
千利休作 桃山時代(16世紀)
永青文庫蔵
「竹二重切花入」
細川三斎作 桃山~江戸時代(16~17世紀)
永青文庫蔵

本展では、利休と三斎ゆかりの名品を中心に、細川家に伝わる茶道具の数々をご紹介します。敷居が高いイメージのある茶の湯の世界ですが、茶碗、茶杓、釜など、道具ごとに展示・解説するコーナーもありますので、茶道具になじみのない方にもお楽しみいただければ幸いです。     

「茶杓 銘 ゆがみ」
千利休作 桃山時代(16世紀)
永青文庫蔵
「黄天目 珠光天目」
元~明時代(14~15世紀)
永青文庫蔵

このほか、武将茶人・古田織部(1544~1615)から三斎に宛てた貴重な手紙の初公開や、細川家にゆかりの深い沢庵宗彭(1573~1645)による墨蹟の特別展示もあり、見どころ満載の展覧会です」

「古田織部書状」
細川忠興(三斎)宛 桃山時代(16世紀)
永青文庫蔵

茶の湯に詳しくなくても美術品として鑑賞することができます。ぜひ会場に足をお運びください。

【開催要項】
細川家の茶道具 ―千利休と細川三斎―
会期:2023年5月20日(土)~7月17日(月・祝)
会場:永青文庫
住所:東京都文京区目白台1-1-1
電話:03・3941・0850
公式サイト:https://www.eiseibunko.com/
開館時間:10時から16時30分まで(入館は16時まで)
休館日:月曜日(ただし7月17日は開館)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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