正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいている」ということがあるかもしれませんね。
Google先生やデジタルデバイスの出現により、便利になった反面、情報の中身については十分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識”は確かでしょうか? もう一度、確認しておいても良いかもしれません。
「脳トレ漢字」第116回は、「姦しい」をご紹介します。「女」+「女」+「女」で何と読むでしょうか?
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
「姦しい」はなんと読む?
「姦しい」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「女」の字を三つ合わせると……
正解は……
「かしましい」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「大いに耳障りである、やかましい」と説明されています。「女」の字につられて「めめしい」と読まないよう注意しましょう。「姦しい」は「女」という字が使われていますが、もちろん男性の場合にも使えます。人数も三人に限りません。
ことわざの「女三人寄れば姦しい」は、「女性はおしゃべりで、三人集まるとやかましい」という意味です。これは「女」の字を三つ合わせると「姦」の字になることに由来します。
「姦しい」の漢字の由来とは?
「姦しい」を構成する漢字を詳しく見ていきましょう。上述したように「姦」は「女」の字を三つ合わせた会意文字になります。会意文字とは、「二つ以上の既存の複数の漢字を組み合わせ、その意味を合成して別の意味を持つ文字」です。「木」を三つ合わせた「森」も同じ分類になります。
また「かしましい」の語源は、「かまし」という語と考えられています。「かま」とは「騒しい音」という意味です。この「かまし」を重ねた「かましかまし」から「かしかまし」となり、真ん中の「か」が抜け落ちて「かしまし」となったといわれています。他にも諸説ありますが、現在では「かしましい」という形で日本語として残っているのでした。
「喧しい」の読み方は?
「かしましい」の別表記として「喧しい」があります。しかしこの字には「かしましい」の他にも別の読み方があるのをご存知でしょうか? 意味は同じく「やかましいこと」となる「喧しい」、何と読むでしょうか?
正解は…「かまびすしい」です。「喧しい」とは「大声でがやがや言う」様子を表現する言葉であり、古語「かしかまし」が由来とされています。漢字の音符の「宣」は「のべる」の意です。
「姦しい」と「喧しい」、どちらの読み方も合わせて覚えましょう。
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いかがでしたか? 今回の「姦しい」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 漢字の組み合わせから、表現する場面を想像させてくれるのも、漢字の面白さの一つなのではないでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/トヨダリコ(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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