「あれ? なんて漢字だったけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第101回は「繁茂」をご紹介します。普段から、雑草や水草が「繫茂」する様子を目にしたことがあるのではないでしょうか。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
「繁茂」はなんと読む?
「繁茂」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「はんぼう」ではなく……
正解は……
「はんも」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「草木が盛んに生い茂ること」と説明されています。植物が勢いよく生い茂る様子を指す言葉です。例えば、「水草が繫茂する」や「繁茂する雑草」などのように使います。
「繁茂」の漢字の由来とは?
「繁茂」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「繁」は「草木がたくさん生え出ること」を意味します。訓読みは「繁(しげ)る」です。「繁栄」や「繁殖」などの「はん」と同じ字ですから、何かが盛んになっている様子を指す漢字だとわかります。
続いて、「茂」は「草木の枝葉が盛んに生長すること」という意味です。こちらも訓読みでは「茂(しげ)る」と読みます。音符の「戊」は「覆う」の意であり「草が覆いしげる」の意味を表しているのです。
つまり「繁」も「茂」もどちらも「草木が盛んに生えること」を指しており、「繁茂」は同じ意味の漢字を重ねてできた熟語だといえます。
「繁」を使った熟語を紹介
「繁茂」における「繁」は「草木がしげること」を指していました。「繁」はそれ以外にも様々な言葉で用いられています。
例えば、仕事が多くて忙しい時期を指す「繁忙期(はんぼうき)」では「いそがしい」という意味です。また、たびたび行く様を「足繁(あししげ)く通う」と表現しますが、ここでも「繁」が使われています。
さらに、「水などが細かく飛び散った水滴」を意味する「しぶき」は「飛沫」という表記が一般的ですが、「繁」を用いて「繁吹き」とも書きます。
「繁茂」を覚えるついでに、こうした関連語も一緒に覚えてみてはいかがでしょうか。
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いかがでしたか? 今回の「繁茂」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 熟語を構成する漢字一字を深く知ることで、より理解が深まるのではないでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/トヨダリコ(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
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