頼朝の最期 政子との美しいカット

A:第26回では、頼朝を見送る人々の半月ほどの日々が丁寧に描かれました(https://serai.jp/hobby/1080653)。大泉さんはこう振り返ります。

(第26回は)実にシンプル に、素直に頼朝の最期が描かれていて、とっても面白いなと思いました。第25 回では馬から落ちて、翌週の26 回では、頼朝がただ寝ているだけっていうのは面白いなぁと思いました。昏睡している頼朝の周りでどんどん物事が動いていく。小さいんだけども、今後の鎌倉がどうなっていくか、の大事な話し合いが行なわれていく

そして頼朝の本当の最期は政子と2人で迎えましたけど、演出の保坂慶太さんが非常によく撮ってくれて、すごく美しいカットだったんです。小池栄子さんの熱演も 素晴らしかった。とても印象に残っています

I:ざんばら頭の頼朝の最期は確かに印象深くて、大泉さんのいうように美しくて、いつまでも心に残るシーンでした。きっとこの回を見た子どもたちには長いことあの表情が頭にこびりついちゃうんだろうなぁ。

最期の刻まで頼朝に寄り添い続けた政子。(C)NHK

撮了後も「見守る大泉頼朝」。「チーム小栗」の団結力が凄い!

A:今回、大泉さんから寄せられたコメントでことさら印象に残ったのは、次のくだりです。

この『鎌倉殿の13人』って頼朝が死に、頼家の時代になってからが本番になります。だから当初、小栗くんとはLINEでよく「早く大泉死んでくれないと困る」とか「三谷さん頼朝を描きすぎた」とか言ってたんだけど、最近、僕が死んでからは相当厳しい決断が続いているらしくて、「いやぁ、頼朝さんは死ぬのが早すぎた」って手のひらを返された(笑)。頼朝がやってた厳しい決断を、今度は自分で下してるんだろうなと想像しているんだけど

A:鎌倉の頼朝法華堂跡に隣接して義時の墓地があります。死して800年以上、ふたりは寄り添い続けているんです。きっと大泉洋さんもドラマのクランクアップまで「小栗義時」に伴走していくんだと思います。

I:「チーム小栗」の団結力を示すいい話ですね。私はこういうエピソードが大好きです。この団結力は必ずや内容に反映されます。そうした「絵」をしっかり映像に残して、視聴者を楽しませる別番組も制作してほしいですね(笑)。

さらば、頼朝!(C)NHK

●編集者A:月刊『サライ』元編集者(現・書籍編集)。歴史作家・安部龍太郎氏の『半島をゆく』を足掛け8年担当。初めて通しで見た大河ドラマ『草燃える』(1979年)で高じた鎌倉武士好きを「こじらせて史学科」に。以降、今日に至る。『史伝 北条義時』を担当。
●ライターI:ライター。月刊『サライ』等で執筆。『サライ』2022年1月号 鎌倉特集も執筆。好きな鎌倉武士は和田義盛。猫が好き。

構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり

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