(左上から時計回りに)『小学一年生』昭和36年5月号「すぴーどかーちょきんばこ」、昭和37年6月号「小一ぐらいだー」、昭和39年8月号「きせかええほん」、昭和42年2月号「おもしろカメラ」。

近年、注目を集めている「昭和レトロ」。昨年リニューアルオープンした「西武園ゆうえんち」が1960年代の商店街を再現して好評を集め、NHKの朝ドラで昭和文化が話題になるなど、昭和30~40年代のノスタルジックな雰囲気や、アナログなデザイン・ファッションがZ世代と呼ばれる若者たちの間でも再評価されています。

そんな昭和レトロブームの波が、小学生向け雑誌の「ふろく」にも押し寄せていることをご存知でしょうか。おなじみの小学館の学年誌『小学一年生』では、かつての定番だった日光写真や、懐かしの駄菓子を題材にした組み立てふろくが子どもたちの注目を集めているのです。

懐かしの日光写真を復活させた「おひさまチェキカメラ」。おもて側はインスタントカメラ風のデザインですが、裏側から見ると懐かしの日光写真そのまま。(『小学一年生』令和3年9月号ふろく)
レトロな駄菓子屋さんをイメージした「だがしやさん じはんき」は、ボタンを押すとココアシガレットなど、おなじみの駄菓子のミニチュアが出てきます。(『小学一年生』令和3年10月号ふろく)

創業から学年誌とともに歩んできた小学館は、2022年に100周年を迎えます。移り変わる世相を反映しながら、大正、昭和、平成、令和と、4つの時代をこえて小学生の好奇心を育んできたふろくたち。その歴史を振り返ってみましょう。

創刊時代から子どもたちはふろくに夢中!

小学館の学年誌は、大正11年に『小學五年生』『小學六年生』からスタート。そして、その後の3年間で『せうがく三年生』『小學四年生』『セウガク一年生』『セウガク二年生』が創刊されました。

『セウガク一年生』大正14年8月号の表紙には「フロク キリヌキアソビ」とあり、このころからふろくが学年誌の大きな魅力だったことがうかがえます。

創刊時代のふろくは、すごろくや切り抜き遊びなど、シンプルながらも遊びがいのあるものが中心でした。昭和に入ると紙製の巨大艦船などの組み立てふろくも登場。当時、ふろくは「オマケ」とも呼ばれ、全国の子どもたちを楽しませました。

昭和6年の『セウガク一年生』9月号は、なんと昭和最初の総理大臣、若槻禮次郎の写真が「オマケ」でした。

その後、太平洋戦争に入ると学年誌は統合や誌名変更が行われ、ふろくが付かないこともありましたが、終戦後の昭和22年に『小學一年生』の誌名が復活。ふろくもその頃から少しずつ多様さを取り戻していきます。

『小學一年生』昭和23年10月号のふろく「こぐまの ピーちゃん」。上半身がやじろべえになっていて、ゆらゆらと動くユーモラスな組み立てふろくです。

高度成長期にはふろくも豪華に発展・進化

東京タワー、高速道路、新幹線といった大規模インフラの整備が進み、東京オリンピックも開催されて日本全体が活気を取り戻した昭和30年代。ベビーブームを経て学年誌も隆盛を迎え、ふろくも豪華さを増していきます。

昭和33年完成の東京タワーは学年誌でも大きく扱われ、その後何度も特集が組まれました。『小学二年生』昭和39年2月号には、高さ55cmという巨大な組み立て「東京タワー」がふろくに。
昭和39年の東京オリンピック時は学年誌の誌面もオリンピック一色となり、五輪への機運を高めました。こちらは『小学一年生』昭和39年10月号の「おりんぴっく おうえんげえむ/とうきょう まわりげえむ」。

そして昭和40年代は、アポロ11号の月面着陸や、日本万国博覧会(大阪万博)が一大トピックとなりました。カラーテレビの普及や華やかなファッションの流行など、生活を彩る文化や娯楽の広がりを学年誌は逃すことなくふろくに取り入れ、子どもたちの夢やあこがれを叶えてきたのです。

全国の子どもたちも憧れた大阪万博。各国のパビリオンを再現した「組立て 万国博大パノラマ」(『小学二年生』昭和45年6月号)など、学年誌もさまざまなふろくやレポート記事で万博の熱気を伝えました。
1969年(昭和44年)に学年誌等で連載がはじまった『ドラえもん』は、当時から変わらず、学年誌のふろくに欠かせない人気者です。こちらは『小学二年生』昭和48年1月号のふろく「びっくり ちょ金ばこ」です。

さまざまな「エンタメ」をふろくに込めて

昭和50年代から平成へ……日本は右肩上がりの成長がピークに達しバブル崩壊を迎える、変化が激しい時代へと突入します。

ピンクレディーからモーニング娘。へと変遷しながらアイドルがテレビを彩り、ファミコンの登場でコンピューターゲームがまたたく間に子どものホビーの主役に。そして平成5年のJリーグ公式戦開幕でサッカーがプロ野球にも負けない人気スポーツになるなど、エンターテインメントも次々と移り変わりました。それに応じて学年誌のふろくも、目まぐるしく変化する子どもたちの流行を逃さずに反映し続けてきました。

昭和52年にホームラン世界記録を達成した王貞治選手を題材にした「王選手ホームランゲーム」(『小学一年生』昭和52年6月号ふろく)。昭和の終わりごろ(1980年代)まで、野球やプロレスがテレビのゴールデンタイムの一角を担っていました。
今や珍しいものとなったソノシートと手回しプレイヤーも当時のふろくの定番セットでした。「にんきもの レコードセット」として「忍者ハットリくん」などたくさんのキャラが参加した夢の1枚も登場。(『小学一年生』昭和57年5月号ふろく)
懐中電灯でフィルムの画像を壁に映しだす幻灯機。ファミコンブーム真っただ中の昭和61年、『小学一年生』12月号ふろくでは、マリオのフィルムがついた「ファミコン げんとうき」で、ゲーム気分が味わえました。
昭和の定番ふろく「糸でんわ」が、子どもたちの憧れる「大人のアイテム」に。平成4年の『小学一年生』7月号では、NTTから初めて製品化された「小型」携帯電話風のふろくが登場(「どらえもん わくわく糸でんわ」)。

2000年代も、変わらぬ魅力のふろくたち

かつての学年誌で遥か未来のように描かれていた「21世紀」が到来。『ポケットモンスター』や『とっとこハム太郎』、『ムシキング』『ベイブレード』といった新たなキャラクターが加わり、ふろくの人気はますます高まりました。紙製の組み立てふろくも変わらず人気で、工夫を凝らしたユニークなものが多数送り出されています。

学年誌の連載から生まれた『とっとこハム太郎』は2000年代はじめのレギュラー的存在。『小学一年生』平成13年11月号の「ハムちゃんず ハムハムハウス本立て」は、大きなサイズで立派に飾れる、嬉しいふろくです。
平成19年の『小学一年生』8月号ふろくは、左右のレバーを押すと「伝説のポケモン」どうしがぶつかり合う白熱のバトルゲーム。負けた方はカバーがひっくり返るしくみです。(「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール げきとつ! バトルゲーム」)

また、2000年代ではふろくが進化し、プラスチック製の「完成品ふろく」も登場しました。さまざまなギミックを持つリッチなふろくは、たびたびメディアをも騒がせるようになっていきます。

『小学一年生』平成28年4月号のふろくは、子どもたちの間で大ブームを巻き起こした『妖怪ウォッチ』の「おしゃべりめざましどけい」。ボタンを押すと、時刻を読み上げる機能があり、時計学習にも一役買いました。
(「妖怪ウォッチ ジバニャン・コマさん おしゃべり めざましどけい」)

令和4年、最新の『小学一年生』のふろくは…?

そして今年の『小学一年生』4月号に付いてくるのは、組み立てふろくの「ポケモン りったいスライドツールBOX」と、完成品ふろく「ドラえもん きょろきょろめざましどけい」の2つです。学年誌の2大スターが共演する、超豪華ふろくとなっています。

「スライドツールBOX」は、実際のツールボックスの構造を紙で再現したもの。お片付けにも活躍しそうです。

「めざましどけい」は、音や声に反応してドラえもんが首をふりながらおしゃべりをする、優れものです。
(小学館キッズ チャンネル)

時代に合わせて進化し、100年にわたり子どもたちの心をつかみ続けてきた学年誌のふろく。これから登場する数々のふろくも、新たな学校生活に心を躍らせる「ピッカピカの一年生」たちを、きっと笑顔にしてくれるでしょう。ちょっと難しい組み立てふろくに家族で挑戦するのも、子どもたちにとって楽しい思い出になるはずです。


『小学一年生』公式サイト sho.jp/sho1

(取材・文/プロダクションベイジュ)

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