歳をとるというのは厄介なものですよね。周りからは、年相応に物知りなどと思われたりして……。うっかり漢字の読み方なんか間違えたりしますと、とっても恥ずかしい思いをするなんてこともあるかもしれません。
脳の方は、若い時のようにパッパと記憶中枢からひっぱり出せなくなってきているかもしれませんが、「歳をとってきちゃって、なかなか思い出せなくて……」なんて言い訳をするようでは、サライ世代の沽券に関わる?
そんなことにならないように、動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。
「脳トレ漢字」第84回は、「針魚」をご紹介します。冬から春先にかけて旬を迎える、針のような魚です。
この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「針魚」はなんと読む?
「針魚」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「針」のような「魚」とは一体……
正解は……
「さより」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「ダツ目サヨリ科の海水魚。体は細長く、下あごが突き出し、先が赤い」と説明されています。「針魚」は日本各地の沿岸で漁獲されており、スマートな見た目と突き出た下顎が特徴的な魚です。身は刺身を始め、寿司、天ぷらなどに使用され、透き通るように美しい白身であることから高級食材として扱われています。
「針魚」の漢字の由来とは?
「針魚」を構成する漢字を見ていきましょう。「針魚」という字は、身体が細長いことからつけられた当て字だとされています。また、さよりは「針魚」の他にも「細魚」「針嘴魚」「鱵」といった漢字表記もあります。
ちなみに「鱵」は魚へんに「箴(はり)」(=針)が組み合わさったもの。さよりの中国での名称がもともと「箴魚(しんぎょ)」といい、そこから「鱵」の字が生まれたと考えられています。
「さより」の語源は?
「さより」の語源は、諸説あります。一つには、昔の呼び名「よりとうお」に由来するとする説です。「よりと」とは「より糸」が短くなったもので、さよりの卵が糸状に繋がっていることから、古代の日本人が名付けたとされています。その後、「狭く長い」という意味の「さ(狭)」と「よりとうお」の略称「より」が組み合わさって、「さより」となったと考えられています。
他にも、さよりが群集するさまから、「さはより」→「さより」となったという説や、海面近いところを泳ぐことから「いさより(磯寄り)」→「さより」となったとする説もあります。
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いかがでしたか? 今回の「針魚」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 冬から春にかけて旬になる「針魚」。漢字の知識と一緒に旬の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
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