歳をとるというのは厄介なものですよね。周りからは、年相応に物知りなどと思われたりして…… 。うっかり漢字の読み方なんか間違えたりしますと、とっても恥ずかしい思いをするなんてこともあるかもしれません。
脳の方は、そろそろ錆びつき始めていて、若い時のようにパッパと記憶中枢からひっぱり出せなくなってきているかもしれませんが、「歳とってきちゃって、なかなか思い出せなくて…」なんて言い訳するようでは、サライ世代の沽券に関わる?
そんなことにならないように、動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。
「脳トレ漢字」第34回目は、「雪洞」をご紹介します。雛祭りの時に目にする、あの飾りのことです。
この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
■「雪洞」はなんと読む?
「雪洞」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「ゆきどう」ではありません……
正解は……
「ぼんぼり」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「灯をともす部分の周囲に紙のおおいをつけた手燭。小さい行灯」と説明されています。ロウソクや電球などの光源を和紙で覆った照明器具で、行灯よりも小型のもの、または持ち運びできるものを指します。ひなまつりの雛飾りでは、最上段の内裏雛(だいりびな)の両側に置かれることが多く、今でも童謡で歌われていますね。
■「雪洞」の漢字の由来とは?
「ぼんぼり」はなぜ「雪洞」という漢字が当てられるのでしょうか? 「雪洞」という言葉はもともと「せっとう」と読み、お茶席で炉にかぶせておく覆いを指す言葉でした。その覆いは白い和紙に窓をくり抜いたものだったので、雪のかまくらに見立てて「せっとう」と呼ばれていました。
その雪洞(せっとう)の形をヒントに生まれた照明が「ぼんぼり」です。そのため、「雪洞」という同じ漢字のまま、呼び名だけ「ぼんぼり」に変えて使われるようになりました。
■「ぼんぼり」の由来は?
それではなぜ雪洞の形をした照明は、「ぼんぼり」という名になったのでしょうか? それは、「明かりが“ほんのり”見えること」に由来しています。「ほんのり」が訛って変化し、「ぼんぼり」という語が生まれたと言われています。
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いかがでしたか? 今回の「雪洞」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 「雪洞」の“ほんのり”とした明るさが、春の季節にぴったりですね。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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